出版社内容情報
しあわせなおうじの像は、不幸な人々のために、つばめにある頼みごとをします…。ワイルドの残した自己犠牲と、尊い愛の物語。
著者等紹介
間所ひさこ[マドコロヒサコ]
東京都生まれ。詩と幼年童話で第1回日本童話会賞を、詩集『山が近い日』(理論社)で第13回野間児童文芸賞推奨作品賞を受賞
こみねゆら[コミネユラ]
熊本県生まれ。美しいイラストで絵本や挿し絵で活躍する傍ら、人形などの制作もしている。『さくら子のたんじょう日』(作・宮川ひろ/童心社)で第10回日本絵本賞、『ともだちできたよ』(文・内田麟太郎/文研出版)で第18回日本絵本賞、『オルゴールのくるくるちゃん』(講談社)で第47回講談社出版文化賞絵本賞受賞
西本鶏介[ニシモトケイスケ]
奈良県生まれ。昭和女子大学名誉教授。児童文学や児童文化に対する評論、作家・作品論、民話の研究、創作など幅広く活躍。絵本や民話の再話も多い。また坪田譲治文学賞などの選考委員もつとめる。著書に「西本鶏介児童文学論コレクション(全3巻)」(第36回巌谷小波文芸賞特別賞受賞/ポプラ社)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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鴨ミール
26
画がいいですね~。こみねゆらさん。こういう話は、今のお子さんたちの読んでみて、どんな感想を持つのか聞いてみたいものです。(通常の読み聞かせ会では感想はあえて聞きません)自己犠牲の精神なんて、死語のような時代ですからね。2019/04/30
花林糖
21
(図書館本)原作は未読。町の人達の心無い対応にビックリ。こみねゆらさんの絵を目当てだったけれど、余りこみねさんの魅力が感じられなく残念。2016/08/02
izw
10
「オズのまほうつかい」を読んで、「ひしだしのなかの名作」シリーズを読むことにしました。まずは1冊目として発行された「しあわせなおうじ」から。子どもの頃から何度も読んできた物語ですが、目のサファイヤ、剣のルビーがなくなり、金箔が剥がれてしまったとたんに、像をひきおろし、壊してしまうというシーンにいつも違和感を覚えます。このあたりで終わりと思っていたのですが、その後、鉛の心臓とツバメのなきがらを天使が天に届けて終わりだったのですね。2017/09/02
ヒラP@ehon.gohon
9
「しあわせなおうじ」という名前からは想像の出来ない切ないお話です。 人の悲しみ苦しみを救済するために、自分の身についた宝石や金箔を分け与えていく王子像。 動くことの出来ない王子に代わって、それらを届けるつばめ。 南に渡り遅れたつばめも命を削って奔走します。 同じ話を他でも読みましたが、こみねゆらさんの絵の重さに、幸せの言葉は埋もれてしまいました。 美しいお話ですが、悲しすぎて、悲しみに包まれてしまいました。2016/09/19
紅生姜
7
読み終わった後、しーんとしてしまった。こんな無償の愛があるの?今、子が親を殺し、親が子を殺す愛のない時代。王子とつばめの無償の愛が、なんだかむなしく感じるのは私だけだろうか。神様は無情だ。どうか来世では、王子もつばめも自分の幸せのために生きてほしい。2017/06/10