内容説明
ひとりでいることはきゅうくつじゃない、自由だ―そう思って生きてきたノボル。あの日に起こった震災のせいで、日常が変わってしまった有田。デジカメを片時もはなさない有田の心の傷を知ったノボル、そして、クラスでういているノボルの心の悲しみに気づいた有田は…。第15回ちゅうでん児童文学賞大賞受賞。
著者等紹介
高森美由紀[タカモリミユキ]
1980年、青森県生まれ。地元で勤務しながら児童文学の創作に励む。『いっしょにアんべ!』が児童書として初めての出版
ミロコマチコ[ミロコマチコ]
大阪府出身。力強いタッチと独特の視点で描く、人気の絵本作家。2004年から画家として活動を開始。2012年、『オオカミがとぶひ』(イースト・プレス)で、絵本デビュー。同作で13年、第18回日本絵本賞大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆみねこ
71
読友さんのお勧め本。児童書ですが、とても素敵な1冊。クラスに居場所のないノボルの家に震災で独りぼっちになったケイタがやってくる。片時もデジカメを手放せないケイタと一緒にいるうちにノボルの気持ちにも変化が。「いっしょにアんべ!」素晴らしい!大人のみなさんもぜひ♪2017/03/29
ぶんこ
51
東日本大震災で孤児となった有田君がノボルの家の里子となってやってきました。ノボルは小2の時に柿の木から落ちた一件以来「柿泥棒」とクラスのボスに虐められていた。一人っ子のノボルですが、両親に理解されていないようで、それが可哀想でした。子供の世界は、一つ歯車が狂うと修復するのが難しい。そんな時、有田君がノボルを信じて窮地を何度も救う。湯船さえも怖がるようになった有田君のような子たちに、目を向けた事が無かったと気付き、愕然としました。著者はお隣の青森在住。お隣の岩手の被災者を思っての作品でした。2017/04/03
てんちゃん
32
津波によっ家族を失った岩手の小学生を軸にした児童文学。岩手の方言や子供らしいまっすぐな物語の展開は読んでて気持ち良かったです。でも、登場する大人達が、あまりに薄っぺらくて残念。子供からみたら、こんなものかなぁ。もう少し、ちゃんとした大人もいても良いと思うけどな。2018/03/17
百太
30
芥川賞受賞作品の「おらおらでひとりいぐも」が岩手弁が音楽的に書かれていて心地いいといわれてます。この本も有田のしゃへる東北弁が上手いです。2018/03/01
むつこ
19
青森県在住の若手?作家さんということで、児童書コーナーにありましたが興味津津、手に取りました。「いっしょにアんべ」の意味(方言)がわかれば、この本の面白さがわかることでしょう。東日本大震災の被災者を我が家に受け入れた一家のお話です。日本中が悲しみを体験、災害の経験は誰も受けたくないけれどいつ起こるかわからないものですね。2016/07/10