内容説明
明治四十四年に横浜で生まれ、以来ずっと横浜で暮らしてきた、熊田千佳慕。前著『横浜ハイカラ少年記』では、泣き虫だった少年時代が語られています。今回は、中学時代から東京美術学校(今の東京芸術大学)を経て、デザイナーとして活躍した日本工房時代。そして、戦争という悲惨な時代を生き抜いた、波乱にとんだ『青年記』。
目次
1章 天真爛漫な中学時代(桜吹雪に颯爽と;わが恩師・エンマ先生 ほか)
2章 デザインに目ざめる(晴れて本科生に;楽しい畑仕事 ほか)
3章 上野の森の青春時代(あこがれの「美」の字の校章;モデルさんにドキドキ ほか)
4章 デザイン界の夜明け(日本工房;日本工房の面々 ほか)
5章 戦火の中で(パーマをかけたその日に、召集令状;東部八十八部隊 ほか)
著者等紹介
熊田千佳慕[クマダチカボ]
1911年横浜に生まれる。1934年東京美術学校(現東京芸術大学)卒業。詩人の兄、精華の友人であるグラフィックデザイナー山名文夫氏に師事。1935年名取洋之助氏主宰「日本工房」に入社。写真家土門拳氏らとデザインの仕事をする。1945年結婚。8日後に横浜大空襲で被災。1950年初めての絵本『みつばちの国のアリス』(羽田書店)で、装幀賞受賞。以後、幼児向け絵本や雑誌などに動植物の生態画を描く。1981年『ファーブル昆虫記』で、ボローニャ国際絵本原画展に入選。(1983年にも同展入選)。1989年『KUMADA CHIKABO’S LITTLE WORLD』全7巻で、小学館絵画賞を受賞。神奈川県立博物館で開催された「J.H.ファーブル展」に原画を出品。1991年横浜文化賞を受賞。1996年神奈川文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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