内容説明
ひとりぐらしのおばあさんの家に、ぶたが自転車をこいでやってきます。カッチャンコギッチンコ、カッチャンコギッチンコ。さいしょにつれてきたのは、なんにもできないねこ。つぎにつれてきたのは、なんでもできるねこ。ねこぎらいのおばあさんは、どうするのでしょう…。
著者等紹介
佐野洋子[サノヨウコ]
1938年、北京に生まれる。武蔵野美術大学卒業後、1967年から1年間、ベルリン造形大学でリトグラフを学ぶ。1975年、「おじさんのかさ」(講談社)でサンケイ児童出版文化賞推薦、以後受賞作は多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Hideto-S@仮想書店 月舟書房
56
小さな家で一緒に暮らすおばあさんと猫。もともと一人で暮らしていたおばあさんのところへ、カッチャンコと自転車をこぎながら豚がやってきて、子猫を置いていったのです。子猫は何にもできなかったので、生活はおばあさんが切り盛りしていました。ある日、カッチャンコという音がまた聞こえてきました。外には豚が立っていて、もう一匹の猫「クロ」を連れていました。クロは何でもできる天才猫でした。三人になると暮らしぶりは大きく変わりました。おばあさんと猫の会話がおぼつかなくも微笑ましい。一緒に生活するには相性も大切ですね。2014/10/05
ヒラP@ehon.gohon
33
ねことおばあちゃんの掛け合いのようなやり取りが、二人舞台のようで心地よいお話でした。 でも、表紙の絵ではありませんが、突然登場する、何でもできてしまう、できすぎクロネコの存在感はありありです。 クロネコのパワーに圧倒されながら、普通ではなくなっていくおばあちゃんとねこの緊張感がよくわかりました。 やっぱり自分に合った普通の生活が良いですね。 おばあちゃんとねこの親子のような関係にほっこりしました。2021/03/26
ベル@bell-zou
29
天才は、たくさんいない。だからくろねこは孤独なんだ。仲良くありきたりの暮らしで幸せなおばあさんとねこ。ひと冬だけでも一緒に過ごしたくろねこは、温かかったのかな。それとも余計に孤独を感じたのかな…。くろねこ、いつかどこかで誰かと幸せを分かち合えるといいなぁ。[昭和57年初版、昭和59年第二刷発行本でした。裏表紙見開きに懐かしい貸出カードとカード入れが貼ってあります。なんだか図書館って、すごいなぁ…。]2018/04/18
ひー
23
読友さん感繋。雪降る今がまさに読み時の児童書。途中、どうなるかドキドキして読めるかどうかハラハラしたけど。読み終わって温かい感動に独り静かにたたずんでいたら、佐野洋子さんのあとがきに、再び大きく深〜いため息が。白黒絵本かと思いきや7ページ分のカラー絵が特に素晴らしい場面です。1984年。2018/02/03
リッツ
22
一人が好きだったはずのおばあちゃんのもとへ届けられた仔猫、それから五年、平凡で満ち足りた暮らしが続いていたが、ある雪の夜ガッチャンコ、ギッチンコ、この音はあの日と同じ、猫を届けた自転車の音、ふたりは不安にふるえるが…。あまったれ猫とからかうおばあちゃんの会話がテンポよく、お互いが好きで堪らないのが伝わり読んでる方も嬉しくなる。そこへ闖入した出来すぎ黒猫、すべてが黒猫のペースで生活は向上する。しかし、おばあちゃんの望んでいたことは…それに気づいた黒猫の気持ち、たたずまいに思わず涙。読むほどにジンとくるお話。2014/06/17