内容説明
伊豆の岬に忘れられたようにたたずむ秋ホテル。二輪のレースから身を退いた私は、父親が残したこのホテルの親父として静かに時を消化していくはずだった。深尾万里子、3年前に別れた女からの手紙が、忘れていた何かを呼び覚ました。思い出す、レースの駆け引き、どこまで力を溜めていられるか、どこで、すべての力を出すか。万里子との過去を自分の人生の中でつまらないものにしたくない、それを投げ出せば私の心は死ぬ。だからこそ、死ぎりぎりの勝負に出る―。日本、ニューヨーク、プエルトリコ、薬品開発をめぐる黒い渦に巻き込まれた男の果てなき闘い。北方文学の逸品。
著者等紹介
北方謙三[キタカタケンゾウ]
1947年佐賀県唐津市生まれ。中大法学部卒。81年『弔鐘はるかなり』でデビュー。83年『眠りなき夜』で吉川英治文学賞、日本冒険小説協会大賞を受賞
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
M
6
北方ハードボイルド。カーチェイス素晴らしい。2015/10/01
権蔵
2
アクの強い登場人物、気障なセリフの数々、クライマックスへ向かう高揚感を感じ、まるでジェットコースター、いや、吉崎が運転する老いぼれブルーバードの助手席に乗っている気分だった\(^o^)/2015/12/15
ぷりけ
2
旦那がブックオフで買ってきたやつ。ハードボイルド。吉崎のドライブテクに惚れ惚れする。しかし、その時だけがワクワクする話だったな。2014/10/31
ツカモトカネユキ
1
ホテルの主人が主人公です。レーサーからリタイヤした主人公が別れた女絡みで事件に巻き込まれていきます。事件に巻き込まれながら、自分を取り戻すというか、再確認していく流れは、北方ハードボイルドで鉄板の流れです。終盤の地に移ってからは、あげて下げる感じです。この主人公の続きはないでしょうが、この続きがあると、ほかのシリーズもののようになるんだろうと思ってしまいました。終わり方は、「なんだかなぁ」感ありでした。2019/02/11
なおひろ
0
読む前に想像していた通りの展開ににんまり。 頭空っぽにしたい時に北方さんは最適。2018/10/05
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