出版社内容情報
町場の長屋を根城に、チームで悪人たちの退治に邁進する姿を明るく描く、隠密たち十人の物語
内容説明
貧相な幇間が、貸家札も出ていないのに空き店を貸してほしいという。知られてはならない隠密長屋に公儀が探りを?一方、長屋の徳次郎が、小姓の時に情を交わした奥女中と再会。今は商家の内儀だが、亭主が博奕にのめり込み、商家は火の車。亭主が通う賭場の元火盗改の旗本屋敷には、くだんの幇間も出入りしていて、何やらきな臭い。旗本の悪だくみを阻止できるか!
著者等紹介
伊丹完[イタミカン]
映画マニアとして知られ、落語やミステリにも造詣の深い著者が、大江戸のエンターテインメントに初挑戦。執筆の合間には映画祭審査員、江戸講座講師、寄席での対談をこなし、試写室めぐりをするなど多忙な日々を送る、今もっとも注目の作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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マカロニ マカロン
18
個人の感想です:A-。第6巻まで進んだこのシリーズもそろそろ転機にさしかかっているようだ。前作ラストで隠密長屋に入居したいと言う人物が現われたが、本作ではその人物(幇間の銀八)が隠密長屋を陰で見張るが、その狙いは何か?彼を陰で操る人物の正体は?「盗っ人長屋」のタイトルの意味は?また本作では小間物屋を装う美男の徳次郎の恋バナもあり楽しめた。火付盗賊改は『鬼平犯科帳』のイメージが強かったが、頭(長官)は1年交替で職位も低かったというのは初めて知った。ラストは思いがけない展開で、次作が楽しみになった2024/11/04