出版社内容情報
町場の長屋を根城に貧しくも健気に生きる人々を食い物にする悪人たちを、チームで掃除に邁進する姿を明るく描く、書き下ろし長編物語
内容説明
日本橋田所町の裏長屋は、世間の長屋とは反対に、毎月晦日になると大家が店子に手当てを支払う。実は大家をはじめ店子全員、老中松平若狭介の元家臣で、悪を懲らしめる隠密だった。不景気風が吹き荒れる江戸で、親切な質屋として町中の皆に頼られる津ノ国屋。一方でクジが当たると大金が入る「講」もやっていたのだが、これがいかがわしく、隠密たちの出番となって…。
著者等紹介
伊丹完[イタミカン]
映画マニアとして知られ、落語やミステリにも造詣の深い著者が満を持して、大江戸のエンターテインメントに初挑戦。ハリウッド映画を思わせる江戸の新しいヒーローの誕生であり、大いに期待されている。執筆の合間には映画祭審査員、江戸講座講師、寄席での対談をこなし、試写室めぐりをするなど多忙な日々を送る、今もっとも注目の作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ごへいもち
13
ちょっと説明がくどいかなぁ。でも次へ2023/09/18
マカロニ マカロン
11
個人の感想です:A-。コロナ禍を抜け出そうとしている今、「景気回復大作戦」というタイトルはとてもタイムリーだ。江戸時代にも小判の改鋳や金融引き締め政策、飢饉等で不景気な時代も多かったことだろう。そんな中庶民が夢を求めて「招福講」というネズミ講的なものにはまっていく人が増えてきた。その元締めの津ノ国屋は良心的な質屋と高評価だったが裏の顔があった。隠密長屋の9人+大家の勘兵衛が悪だくみを暴いて行く。今の日本にも強盗ルフィー一味を一網打尽にするようなチームが欲しい2023/06/29
おだまん
9
景気がテーマの回。今と重なるところがあり時代の壁を感じない。2025/05/11