出版社内容情報
江戸は神田にある一本の横丁。そこはのっぴきならなくなった人がやってくる通称「のっぴき横丁」だ。
横丁で暮らすのは、藪医者、公事師、金貸し、代書屋、鍵屋、拝み屋、口利き屋、謎の老夫婦などなど。
次は勘定奉行か町奉行と目された三千石の大身旗本真木登一郎は、ある日、城から帰るや突如、隠居を宣言。
移り住んだのは、神田のっぴき横丁に借りた二階屋。
のっぴきならない人たちが〈よろず相談〉に訪れる横丁には心あたたまる話があふれ、なかには大事件も!?
新シリーズ、第2弾!
内容説明
吉原火付け遊女への粋な裁きに大喝采!奉行は南町の矢部定謙。この名奉行に悪辣な罠が…。老中首座の水野忠邦と鳥居耀蔵による濡れ衣で奉行を能免され評定所の詮議へ。非道な評定に江戸町衆は…。第11回日本歴史時代作家協会賞シリーズ賞受賞作品。
著者等紹介
氷月葵[ヒズキアオイ]
東京都生まれ。出版社勤務などを経て、フリーライターとして独立。秋月菜央の筆名で『虐待された子供たち』(二見書房)、『Relax in Blue』(経済界)等、福知怜の筆名で『タイタニック号99の謎』(二見書房)など、歴史、心理、ドキュメント系などの著書を多く執筆する。小説では第四回「北区内田康夫ミステリー文学賞」において「師団坂・六0」筆名・井水怜で大賞を受賞。「御庭番の二代目」シリーズと「神田のっぴき横丁」シリーズは第11回日本歴史時代作家協会賞のシリーズ賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひさか
21
2022年10月二見時代小説文庫刊。書き下ろし。シリーズ2作目。軸に助っ人、困り人,来る、偽の往来手形、城下の声、町の心意気、の5つの連作短編で構成。元南町奉行の矢部定謙の処遇をめぐる話を背景に江戸の人々の生活が語られる。困り事をかかえた人々とのっぴき横丁の人々との些細な出来事や関わりが楽しい。登一郎と三男の長明のなんということのない会話も面白い。2022/11/26
み
18
さくさくと♪歴史に疎いのですが、鳥居妖怪氏は、ますます悪い像にシフトしました。北町奉行の矢部氏は、これまで何かで読んだかしら?そりゃ無念よね。このシリーズ、わるじいシリーズに空気が似てるかも。2023/12/09
あき
3
シリーズ二作目。タイトルの「慕われ奉行」は元北町奉行の矢部駿河守だけじゃなく、作事奉行だった主人公と南町奉行の遠山金四郎も含んでるんだろう。横丁の人情話のていではあるけど、書きたかったのは大塩平八郎の乱→矢部駿河守罷免の一連の流れなんだろうな。導入になってる札差が襲われた話と、矢部駿河守の話が今ひとつ馴染んでないから、なんかチグハグというか、とっ散らかってる感が否めない。横丁の住人の仕事ぶりは面白かった。しかし鳥居耀蔵はどの作品でもほぼほぼ悪人っていう嫌われ者っぷりがスゴイよなあ。2023/05/17