出版社内容情報
田宮流抜刀術の達人で三味線の名手、矢内栄次郎が闇を裂く!吉川英治賞作家が人気シリーズ!
内容説明
薬研堀の船宿『船幸』に押し入り、十二人を人質にとって二人を殺した事件で獄門の刑を受ける弥三郎の、今日は“引回し”の日。目の前に来た弥三郎の目は栄次郎に向いた。口の形で何かを伝えようとしている。こへいじ…小平次か。あの事件(第26巻)は未解決の謎が残った。栄次郎はその謎解きを託されたのか。まずは小平次の探索からだ。殺された侍二人の身許もいまだ不詳だった。
著者等紹介
小杉健治[コスギケンジ]
“時代小説が書きたくて小説家を志した”と言う氏の面目を十二分に発揮した“栄次郎江戸暦”シリーズは、確実に大人の読者を魅了し、人気を不動のものにしている。1983年『原島弁護士の処置』でオール讀物推理小説新人賞を受賞。87年『絆』で推理作家協会賞、89年『土俵を走る殺意』で吉川英治文学新人賞を受賞。1947年、東京に生まれる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やま
76
栄次郎の剣が冴えます。第11代将軍徳川家斉の実父・一橋治済の庶子。田宮流抜刀術の達人で三味線の名手・矢内栄次郎が、事件の謎を解く物語です。此度は、前作で捕まった弥三郎が市中引き回しの途中で口を動かして栄次郎に「小平次」と伝えます。栄次郎は、小平次とはと調べて行くと。船宿で殺された2人が公儀御庭番で、大名・瀬尾伊勢守と老中・稲葉越前守の密約について瀬尾家の国元と、越後藩村上家での調べをすり合わせていた所を瀬尾家の刺客に殺されたことが分かります。🌿続く→2022/03/22
とし
66
栄次郎江戸暦「獄門首」27巻。 船宿に押し入り12名を人質にとり2人を殺し獄門の刑を受ける弥三郎が「引き回し」の日、馬上から、栄次郎に口の形で「小平次」と伝えてきた事から、謎解きが始まる。前巻の「幻の男」26巻のもやもやがスッキリしました。 2022/05/19
Tatsuhito Matsuzaki
10
前作(#幻の男)の事件で獄門の刑に処せられた男から無言の遺言を伝えられた栄次郎。 その謎解きに乗り出した先には、某藩と大物幕閣の影が…。 事件の鍵を解く書付が出てくるまでが長く、それから呆気なく事件が収束した処が、少し物足りなく感じましたが、まあ、これ以上、事を荒立てて公になったら収集がつかなくなるでしょうね。 #市中引き回しの上獄門打ち首 #白虎稲荷 #書付 #密約 #老中 #瀬尾伊勢守 #稲葉越前守 #今日の一冊2022/11/20
犀門
3
No.047★★★★☆「小平次…」と最後の言葉を残して獄門の刑に処された弥三郎。さて、この小平次とは…。まだまだ長引きそうだな。2022/06/29
goodchoice
2
栄次郎はあまりにお節介が過ぎるのでは。本業の三味線の場面がほとんどなく、もう少し増やして欲しい。2022/04/09