出版社内容情報
【 創刊 二見ホラー×ミステリ文庫 】 毎月20日頃発売
余命宣告されたホラー作家
頭の中に──こびりついた爆弾
「祟り」に囚われた作家は怪異考察士となって、その謎を追う。
私は頭の中に爆弾を抱えていた。幼き日にこびりついた爆弾は活動を停止していたが、ついに動きを再開してしまった。
「祟り」とでもいうべきこれのことを著名な怪異サイト『ボギールーム』に投稿したところ、管理者から謎の解明を約束される。
やがてこのサイトの怪異考察士となった私は、自身に起こったことを究明していくことになる──その先にあるものは果たして……
内容説明
私は頭の中に爆弾を抱えていた。幼き日にこびりついた爆弾は活動を停止していたが、ついに動きを再開してしまった。「祟り」とでもいうべきこれのことを著名な怪異サイト『ボギールーム』に投稿したところ、管理者から謎の解明を約束される。やがてこのサイトの怪異考察士となった私は、自身に起こったことを究明していくことになる―その先にあるものは果たして…。
著者等紹介
黒史郎[クロシロウ]
1998年頃からオカルト系ウェブサイト「幻想住人録666」で小説作品などを公開。2006年に「夜は一緒に散歩しよ」で第1回『幽』怪談文学賞長編部門大賞を受賞。07年、「ラゴゼ・ヒイヨ」で史上最小のクトゥルー神話賞最優秀賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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sin
70
黒史郎の作品が好きだ。但し、好きな作家の作品を読み倒す自分が彼の本で手を着けていないジャンルがある。所謂、実話系怪談だ。だがしかし、ここにその実話系怪談で培った経験を見事に昇華した作品が産まれた!ひとだま、火車、ろくろ首、果ては未確認飛行物体まで寄せられた怪異譚を紡いで考察が重ねられた先にその輪郭を浮かび上がらせたモノ!?これは読み手の思い違いでなければ、デビュー当時の作者に因って産み出されたクトゥルフの新しい一柱を物語に組み込んだ野心作ではないだろうか!?その神の名は“ラゴゼ・ヒイヨ”月に纏わる古の神!2021/08/26
ゆのん
67
夏に読むにはピッタリ。怪異現象が沢山あって面白かった。主人公の幼い頃に自分の身に起こった不思議な出来事から恐ろしい状態になってしまった現在。悲惨な結末を回避したく調査に乗り出すが、判明する内容には驚きながら読んだ。気づいてないだけで、もしかして私も…なんてちょっとでも考えてしまうて何とも言えない恐怖を感じる。2021/08/06
Bugsy Malone
66
物語は自らの祟りとも言うべき謎の病を究明して行くホラー作家のお話し。実話怪談をとりいれながら民俗学を照らし合わせ怪異を考察していく小説としての手法がまず面白い。ひとだまさまから火車、ろくろ首と、中盤までは只々方向も分からないまま読んでしまいます。でも、それらは後半で見事に活きてくる。そして気付くのです。この余韻はラヴクラフトじゃないかと。某京極さん小説で頭にクトゥルフを乗せていた黒史郎さん、またもや黒さんワールドが広がりました。2021/10/24
眠る山猫屋
61
まさに“オカルト”。幼少期に遭遇した怪異のせいで脳に不可思議な腫瘍ができ、 余命宣告を受けたホラー作家。怪異の正体を探るため協力を求めたのは、日本最大のオカルト考察サイト《ボギールーム》。管理者の神目のフェローを受けて、調査を進めていくが・・・。リアルに進む前半はモキュメンタリー。怖くない。怖くないけど、無数に挟まれるエピソードが恐ろしい。どこまでが真実なの?混迷する探索の果てに待つものが全てを呑み込んでいく、もう一度言おう、まさに“オカルト”。2024/10/18
あたびー
42
#日本怪奇幻想読者クラブ 妖怪研究から土着の黒祀、正体不明の異世界とのコンタクトそして驚愕のラストへと姿を変える目眩くホラー。ホラー作家として行き詰まっていた桐島は子供の頃火の玉を見て昏倒し脳に謎の腫瘍が出来ていた。その腫瘍が何故か今成長し、移動すらしているという。カリスマ的オカルトサイトから依頼されて自身の体験の謎を調べることになった桐島は次々と関連事項を調べて行く。聞き取った話や資料の内容が間に挟まるためリアリティがある。オカルトサイトの中の人神目は怪しい感じがしたがまさかこう来るとは…2021/08/17