出版社内容情報
過去にトラウマを抱える少年・静香(しずか)と、過保護な兄・豊薫(ゆたか)。
そのふたりが営む茶屋のKAORI茶寮と、京長屋。
偶然、長屋の入り口を通りかかった女子高生・萌が危ないところを静香が助けたことから、萌はお茶の奥深い世界に目覚める。
長屋に住む人々などがかかえる問題などをお茶を頼りに解決していく。
やがて、静香と豊薫の過去、そして萌自身が抱えてきた引っ込み思案な性格にも向き合うようになる――
京都祇園の路地の雰囲気と、日本茶を中心にしたお茶の蘊蓄が満載!
内容説明
祇園の路地の長屋にたたずむ「KAORI茶寮」。女子高生の萌は偶然出会った少年・静香に連れられ、兄の豊薫が営むKAORI茶寮を訪れた。聞き上手の豊薫と待ち上手な静香に促され、萌は“幽霊とのお茶会”をきっかけにこじれた人間関係の悩みを口にするのだが、静香は謎めいたお茶会の真相を指摘する…。ここは名探偵と、奥深いお茶のある茶寮。謎に悩む長屋の住人が、今日も癒しを求めてやってくる―。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
シナモン
142
洋多さんの長い長いラブレターには泣かされた。最後、静香と萌が路地門から出るところでは二人の成長にちょっと感動。「言いたいことはいつ、言えなくなるか分からない」「自分を大事にすることは相手を大事にすることと同じ」互いを思いやる気持ちに溢れる一冊。奥深いお茶の世界に浸りながらの心地よい読書タイムとなりました。煎茶ミルクティー、美味しそう。2021/08/23
あずとも
12
祇園の路地にある日本茶専門店を舞台にした茶寮ミステリー。産地や名前、由来、種類、飲み方等日本茶の蘊蓄満載で興味深い。感受性が強い主人公の萌と問題を抱える静香の2人が少しづつ成長していく様子と周囲の人々が見守る姿に心が温かくなる2021/03/17
sugar&salt
11
すごく面白かった。感受性豊かで人付き合いが苦手な萌が一生懸命喋るのを、焦らせず真摯に聴いてくれる静香君との会話シーン好き。あと、静香君が意外に独占欲強いとことか拗ねてる姿が可愛い! 煎茶のソーダ割りとか煎茶ミルクティーとか変わり種も気になるけど、丁寧に淹れたお茶が飲みたくなるなー。2022/05/19
わぴねむ
7
これとても好きだった!みんな優しくてあたたかい。先生のお話もおじいちゃんのお話も涙出た。椿さんの「親の思いを盾に子どもに我慢させちゃダメ」みたいな言葉、いいなぁ、心に刻んでおこう。2021/03/26
くるみ
4
京都×探偵という組み合わせに惹かれて手に取った本。主人公の萌の生きづらさは、私もどこか感じていたことだったので、特に人間関係についての気にしすぎということについて、もっと軽やかに受け止めて生きてもいいのかもと思ったりした。美味しいお茶を飲みたくなる。2021/11/13