出版社内容情報
父の仇討ちのため江戸に上った武士の子・秀介。力尽きかけたところを可愛らしい白い猫又に案内され、不思議な長屋に辿り着くが…。
内容説明
父の仇討ちのため、義憤と武士の誇りを胸に江戸に上った秀介。しかし目的を果たす前に空腹で行き倒れてしまう。もはやここまでと覚悟を決めたその時、現れたのは純白の子猫。恩返しだという猫又に導かれ、秀介はある長屋を訪ねる。一見普通だが、人に化けた気のいい妖したちも住む通称あやかし長屋。死んだ店子の家財を譲り受け、食い扶持を稼ぎ、志を曲げず日々を送る中、秀介はついに憎っくき仇を発見するが…。
著者等紹介
須垣りつ[スガキリツ]
第2回招き猫文庫時代小説新人賞優秀賞受賞。別名義での既刊あり(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はつばあば
52
意固地な子供も頑なな年寄も同じようなものと楽しく読めました(^^♪。あやかしが江戸の長屋に安穏と暮らす。そこへ武士の子が田舎?から仇討ちに出てきたはいいが・・背中に死神がへばりついていたなんて。猫の死に際を看取ったお礼が猫又になってその武士の子を見守る。長屋の人情・あやかしの人情?いいですよ~。今の時代キレル子が多いのは子供を叱ることを怠った大人が悪いのだと今日の夕刊に載っていた。武士の子とはいえ13才。生きていく上で仇討ちより大事な事があるだろうと長屋の住人に諭される・・・諭す大人がどれだけいるだろう2019/01/18
はる
28
仇討ちと聞いてまさか本当にやりあうって事はないよねって思いながら読み進めました。私としてはどの話も好きなのですが、やっぱり最初の長屋にやって来た話が好きです。猫のまんじゅうにとっても元飼い主の采配夫妻にとってもいい方向に向かったのでこれぞ江戸人情って思いました。2019/05/22
しましまこ
21
表紙買い、猫又のまんじゅう可愛い。2020/03/08
niho
10
先月「居眠り磐音」のドラマを全話観ました。オススメです。長屋でのシーンも多いので、お陰で視覚的にどう言う造りになっているか、住んでいる人たちの交流の様子とかもよく分かって、この本を読んでいても長屋での生活がとてもリアルに感じられました。 タイトルにあるあやかし要素もごはん要素もちょっと少ない気はしたけど、この内容を1冊に纏めるなら仕方ないかな?江戸での庶民の暮らしが分かりやすく自然に軽いタッチで書いてあるから読みやすいです。それにしても武士の子とはいえあのカチコチ頭のまま大人にならなくて良かったね...!2019/01/13
ううち
8
タイトルに惹かれて購入。仇討ちのため江戸にきた主人公が子猫と一緒に長屋に住む…という王道ストーリーですが、妖がちょこっと。猫のまんじゅうが可愛らしい。2018/12/24