出版社内容情報
ロングセラーの名著がついに文庫化! 哲学・論理学のパズルでロジカルセンスを徹底的に鍛える画期的問題集。
内容説明
ありふれた常識とありがちな直感を疑え!哲学・論理学の問題を使って、徹底的にロジカルセンスを鍛える最強のテキスト!
目次
序章 ウォーミングアップ編
第1章 自己言及の部門
第2章 概念分析の部門
第3章 確率的陥し穴の部門
第4章 定義と曖昧さの部門
第5章 知識と意識の部門
第6章 予言と検証の部門
第7章 意思決定と統計の部門
第8章 法律・生命倫理の部門
著者等紹介
三浦俊彦[ミウラトシヒコ]
1959年、長野県生まれ。小説家。東京大学文学部美学芸術学科卒業。89年、同大学院比較文学比較文化専門課程修了。東京大学教授。研究分野は、美学、形而上学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
46
単なるパラドクス紹介本ではなく、実はそこから一歩も二歩も先を行く内容。「抜きうちテスト」のパラドクスに対して、これでもか、と思えるほどの追求には感服。そこまで考えるのか! 後半、しだいに倫理の問題にくいこんでいく。実社会にありそうな、どう考えるべきか困惑する問題を、明快に解く方法を教えてくれている! だが、さらにその先や別問題を考えるのが、この本の宿題かもしれない。2016/11/19
白拍子
13
難解な本なので、脳に自信のない人は読まない方がいい。評価が割れるのを拝見して、なるほど、買って正解でした。本書は難解な数学を解くのと同じではあるも、数学ではない点がたまらない。数学ができなくても、じっくりと検証する姿勢さえ持ち続けることができるなら、相当な論証力を身につけることができる。そう直感して手に取った本書が高評価よりならばその程度というこであり、つまらない。数理や記号論理学などにあきたら言語に置き換えた論証で、持て余す時を過ごすこともできる機会を与えて下さった著者に心より御礼申し上げたい。2018/11/30
猫丸
12
本体700円の文庫本に99個の例題がぎっしり。講義ネタを惜しみなく出してしまって大丈夫なのか、他人事ながら心配になります。クレタ人、モンティホール、トロッコ、パスカルの期待値など、有名どころを網羅した上に、聞いたことのない問題群もたくさん紹介してくれます。「正解」は徹頭徹尾論理至上主義に基づくものであり、冷徹に見えるほど。だがそれがいい。とくに第3章「確率的陥し穴の部門」は勉強になる。数式を使わずに条件付き確率の正答を出すのは至難の業である。問題39などは紙とペン無しにはお手上げでした。2024/05/14
またの名
11
いつか人を轢き殺したいと願ってた運転士が格好のチャンスに「死ねー!」と狂喜し5人を避け1人に突っ込む設定のトロッコ問題が、見たこと無いパターンで笑う。哲学においてベルクソンを筆頭に戒めてきた、問いの創造をせず既成問題をパズルのように解く秀才官僚的な作業を、あえて行う演習書。答えは正解と不正解にきっちり論理的に仕分けできるという立場を採る一方、全身の分子情報を装置でコピーし別の場所へ転送する問題で自分の解答は採点不能と言われてしまった。ルイス・キャロルが指摘した論理学の限界から示される、別の論理学を作る道。2025/04/13
あゆみらい
10
読んでいると、軽い頭痛が。いかに普段頭を使っていないかを実感させられます。難しい。パラドクスか、パズルか。全員うそつきである○○人が「私はうそつきです」。成り立つのか?矛盾なのか。2016/12/06