出版社内容情報
白昼のNYで誘拐された美しい人妻がバラバラ死体となって帰宅した。5月30日公開リーアム・ニーソン主演『誘拐の掟』映画原作。
内容説明
麻薬ディーラーとして成功した、キーナンの魅力的な若妻フランシーンが、ブルックリンの街角で白昼堂々と何者かに誘拐された。間もなく脅迫電話をかけてきた姿なき誘拐犯。その要求に応じ、キーナンは巨額の身代金を支払う。しかし犯人が指定した車のトランクのなかにあったのは、変わり果てた妻の無惨な死体だった―。犯人への復讐を誓うキーナンは、事件の手がかりを探るため元刑事のスカダーに調査を依頼するが…現代最高峰の私立探偵シリーズ代表作。
著者等紹介
ブロック,ローレンス[ブロック,ローレンス] [Block,Lawrence]
1938年、ニューヨーク州生まれ。20代初めの頃から小説を発表し、作品の数は50冊を超える。『過去からの弔鐘』より始まったマット・スカダー・シリーズでは、第9作『倒錯の舞踏』がMWA(アメリカ探偵作家クラブ)賞最優秀長篇賞、第11作『死者との誓い』がPWA(アメリカ私立探偵作家クラブ)賞最優秀長篇賞を受賞した(邦訳はいずれも二見文庫)。1994年には、MWA賞グランド・マスター賞を授与され、名実ともにミステリ界の重鎮としていまも精力的に活動している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
83
【マット・スカダーシリーズ】第10弾。〔倒錯の三部作〕の最後の作品。誘拐された人妻は、身代金を渡したにもかかわらず、ばらばらの遺体となって見つかる。依頼を受けたスカダーは、過去にも似た事件があった事を調べ、犯人は再び誘拐事件を起こすと考える。今まで一人孤独に調査をしてきたスカダー、相棒は酒であったのだろうか。しかし、この三部作からは、酒を断ち仲間と共に邪悪なる犯罪者へ立ち向かう、そんな変化が描かれている。上手い文章というより、響く文章だと感じる。スカダーの明日が、幸せであって欲しいと願わずにはいられない。2022/01/30
KAZOO
57
今はマイクル・コナリーに結構はまっていますが、それ以前はローレンス・ブロックのハードボイルドにはまっていました。今回は、新装版で映画化されたのを機に出版されたようです。映画は5月30日からだそうで、96時間でイメージチェンジしたリーアム・ニーソンが主演のようです。読んでいなかったので楽しめましたがやはり時代性を考えて読まないと最近の人はついていけないかもしれません。2015/05/08
みやび
15
10作目。依頼人は妻をバラバラにされた麻薬ディーラーと、ヤク中でアル中の兄。マットを手伝うのはストリートの少年TJとハッカー兄弟、恋人の高級娼婦エレイン。事件はむごたらしいけど、元アル中で心を閉じていたマットが、人に心を開き、人を思い、人を頼る、どの会話も味わい深くて、読み終わってすぐ気に入った会話を読み返したほどです。マット・スカダーの人生にとって大きな節目となった作品でもありとても良かったです。2024/11/28
びぃごろ
14
【マットスカダーシリーズ⑩】なんとね!事件と関わりのないラストにビックリ。マットが抱える内なるこだわりをここで吐き出すとは。いつもは楽しみな田口さんの訳者あとがきだが、今回ばかりは読まない方が良かったなぁ、今後の展開が見えてしまったじゃないか(苦笑) まぁいい展開で良しとするが。今回ミックはアイルランドに身を隠し、似顔絵描きも出番はないが、TJが持ったポケットベルにハッカーの二人組コングスが大活躍(1993年刊行)麻薬ディーラーの妻が誘拐され身代金を払うもバラバラ死体で戻される。復讐を誓う夫がマットに依頼2023/04/14
Yoko
11
猟奇的な事件を描きながらも淡々と進行するストーリー。登場人物たちとの軽妙なやりとりは他シリーズでもおなじみのもの。それを通してスカダー本人と事件で関わることになった人々の人物像を浮き彫りにし、また既知の人々との関係の深まりをはっきりと感じさせる。時代を感じさせる電話がポイントとなるストーリーも今読んでも野暮ったさはない。少年探偵団みたいのまで出てきて‥‥‥wさて、これが映画化とは想像しづらいのですが、リーアム・ニーソンのスカダーは渋い、渋すぎる!2015/04/30