出版社内容情報
シュレーディンガーの猫、人間転送機、5億年ボタンを題材に、自明と思われる常識を問い直し、思考を鍛える最強のテキスト。
内容説明
正しく考えるためのツールで世界をサバイバル!!思考実験とは何か?その概念から学び、直感的思考の欠陥を突き止めていく―スリリングなロジカルシンキング。
目次
第1章 思考実験とは何か?
第2章 抜き打ち試験のパラドクス
第3章 本当の幸福―エウダイモニア
第4章 5億年ボタン
第5章 人間転送機
第6章 思考実験でデータ捏造?
第7章 シュレーディンガーの猫
第8章 量子不死・量子自殺
第9章 2封筒問題
第10章 サンクトペテルブルク・パラドクス―2封筒問題との比較
著者等紹介
三浦俊彦[ミウラトシヒコ]
1959年、長野県生まれ。小説家。東京大学文学部美学芸術学科卒業。89年、同大学院比較文学比較文化専門課程修了。和洋女子大学教授。研究分野は、美学、形而上学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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- 評価
退屈しのぎ本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
磁石
7
シュミレーションとフィクションの間にある、思考実験。個人の中に潜む倫理観・信念体系をえぐり出しあるいは打ち破り、より開けた知的地平線を垣間見るための実験。多世界解釈と無限大の宇宙を想定してしまうと、実感すらできないあらゆることが成立してしまう。量子的自死あるいは不死という考え方は、自分をゲームの中の操作可能なキャラクターと同じ立場に置きつつ同時に現実で操作するというダブルスタンスをとれなければ、実感など到底できないと思う。……これができる人が、悟りの境地に達した人なんだろうか。2014/09/09
Akiro OUED
2
思考実験中は、数学的厳密性に拘ってはいけないんだろうけど、確率ゼロの事象を量子自殺装置で起こすことができるという主張は、却って無限大の泥沼に足を踏み入れたと思う。サンクトペテルブルクの必勝戦術は、ゼロ秒でコイントスができるという無茶な前提を要求する。量子論はそれを許さないよ。2022/07/12
ほにょこ
2
★★★抜き打ちテストのパラドックスについては理解していたと思っていましたが、考えが浅かったことが分かりました。 多世界解釈は信じていませんが、思考実験なのでそれを前提とした議論をすることは問題なし。 筆者の考えに賛同できない部分も多々ありましたが楽しく読めました。2014/06/04
JUN0110
1
物理学者マックス・テグマークの計算によれば、地球からだいたい10の(10の115乗)乗メートル離れた距離の範囲内には、この観測可能な半径137億光年に相当する領域と寸分違わぬ領域がもう一度登場しなければならないという。…宇宙が広大であれば、永劫回帰により、私たち全員の天然複製が(あるいは、私たち全員が天然複製として)いたるところに散らばっているのである。2015/03/10
shinoyan
1
私のごくごく浅ーい哲学や物理学の知識では、読み込めない場面が多数2014/08/21
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- 和書
- 思考力の磨き方