出版社内容情報
江戸城の将軍家斉から出張料理の依頼!
吉と出るか凶と出るか。
隠密・安東満三郎の案内で料理人・時吉は江戸城へ。家斉公には喜ばれたものの、知ってはならぬ秘密の会話を耳にしてしまった故に…
内容説明
元武士で刀を包丁に持ち替えた料理人時吉と恋女房おちよの店「のどか屋」に、常連の客、隠密「黒四組」組頭の安東満三郎が顔を出した。ある“やんごとなき御方”がお忍びで食した「のどか屋」の料理をもう一度味わいたいが外に出られない。出張料理をしてほしいというのである。その後、立派な駕篭で向かった先は、なんと江戸城であった。はたしてこの出張、吉と出るか凶と出るか。
著者等紹介
倉阪鬼一郎[クラサカキイチロウ]
1960年、三重県伊賀市生まれ。早稲田大学第一文学部卒。印刷会社勤務を経て1998年より専業作家。ミステリー、ホラー、幻想、ユーモアなど、多岐にわたる作品を精力的に発表する。2008年「火盗改香坂主税影斬り」(双葉文庫)で時代小説家としてデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひかつば@呑ん読会堪能中
14
第6弾。前半は公方様のお膳の話で、厄介事が持ち上がりのどか屋夫婦が江戸を離れ銚子で過ごすという2本立て。なんといっても獲れたての海の幸で腕を振るう時吉の料理がいい。生きのいい刺身もいいけれど、さんが焼き、梅干煮、なめろう、つみれ汁、無性に鰯を食べたくなった。 2013/11/21
まゆちん
10
のどか屋シリーズ第6巻。あんみつ隠密が大活躍。そして紫頭巾の方が満を持して再登場。時吉の孤独な挑戦が実ったかと思いきや、陰謀に巻き込まれて江戸落ち、そして漁師の町、銚子へ。命がけで海に出る漁師と、その家族の想い。。。漁師でなくとも津波に飲まれる危険から逃れられない場所で、強く逞しく生きる人達。。。いい話だけど、このまま戻らずに巻が終わってしまうんじゃないかと心配したくらいでしたw どこに行ったとしても、人の情ほどありがたいものはないですね。2013/11/09
はにこ
9
のどか屋はまたもやピンチ。銚子まで逃げて、暖かい人々に出会い、心の休養になったね。海の仕事は常に死と隣り合わせなんだと感じた。猫も増え、新たな命も芽ばえ、益々賑やかになりそう。2020/01/15
nyanlay
9
今回も大変な事件に巻き込まれてしまいましたが、後味は佳し。ただ紫頭巾の方が家斉公だとは。正にお上。平行して読んでいる他の本にも出てくる殿様なので、それなりに人間くささがあるんでしょうね。正直自分の不勉強だと思うのですが、学生時代はあんまり教科書に出てこなかったイメージ。銚子まで行ったけど、終わり良ければ、って感じで、更に次が楽しみです。2016/10/05
mikipon
8
紫頭巾の人、再登場。思わぬ偉い人でした。今回はよんどろこない事情で、銚子まで逃避行。そこでも料理の腕をふるい、周りの人を幸せにするのはいつもと同じ。銚子と江戸の距離感が今とは随分違うんだろうけど、きっとまた再会できるよね。参考文献の中に、将軍の料理番シリーズ(小早川涼)があって、そちらも読んでいるので嬉しくなってしまった。2014/08/12