出版社内容情報
ノンフィクションとは何かを問いつづけてきた著者が、方法、異国、作家、書物、時代の各分野にわたり、自らの軌跡を語るエッセイ集
目次
第1部 紙のライオン―方法
第2部 沈黙と喧噪―異国
第3部 職人衆の仕事―作家
第4部 ペーパーナイフ―書物
第5部 アスファルトの鼓動―時代
第6部 地図を燃やす―自身
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
踊る猫
23
ハードボイルドというか、綺麗な/清潔な価値観に基づいて書かれた本という印象を受ける。崇高ですらある。著者は中上健次や村上龍といった純文学や山本周五郎のような時代小説、向田邦子やトルーマン・カポーティといった書き手の書物たちと対峙し、丁寧にその対象を自分の語彙で整理しようとする。沢木耕太郎がイマイチ食えない人だなと思うのは、その「自分の語彙」への自己批評を禁じているところなのかもしれない。つまり、沢木耕太郎がどのようにして形成されたかが見えず、「透明な存在」としての沢木耕太郎という装置が批評を繰り広げている2022/01/26
しろぶた
4
新しいジャンルに挑戦。ハードカバーを2〜3ヶ月持ちあるくくらい時間がかかりました。読んだことのない本についての、レポート。批評するこうも客観的に冷静に書くのかと思いました。人が書くものなので少しの主観はきっとあると思うが、彼の中に確固たる考えがある上での主観なので読んでいてとても気持ち良かった。人の批評は自分がしっかりしてないとできないし、とてもしなやかでないと嫌なものになってしまうので凄い!自分も自分の成長のために人を批評できる目線を持ちたい。2013/11/09
jeans3
0
沢木孝太郎の二十代から三十代にかけて書かれたエッセイ集。書評もいくつか書かれてあり、何を読むかの参考になった。2013/10/10
ステビア
0
二段組みのハードカバーで500ページ、という大きな本の中に沢木のエッセイがぎっしり。特に言うべきことはないのだけれど、面白かったですよ。2011/10/09