内容説明
下野国・那須川藩一万八千石の下屋敷から若隠居の若月丹波守清胤は、傳役の爺篠塚左衛門とともに出奔、東八丁堀のアサリ河岸に向かった。爺と二人、九尺二間の裏長屋の生活が始まる。持ち出せたのはわずか三両。早速にも仕事を探すべく口入れ屋に向かう道で、武家娘を襲う四人の侍たちに出くわして…。
著者等紹介
森詠[モリエイ]
栃木県旧大田原町出身。那須地方に育つ。東京外国語大学卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とし
22
6巻を先に読んでしまったので、剣客相談人シリーズ第一巻から読み始めました、若隠居の若月丹波守清胤と篠原塚左衛門、安兵衛店の住人大門甚兵衛、長屋で殿様と言われる訳、剣客相談人になった顛末等々。出奔し浪人になるも、そこは殿様、頼るところ、決めるところをうまく使い分ける。面白く楽しく読めるシリーズ。2013/09/07
Totchang
11
藩政改革に邁進した婿殿は、奥方や家老に裏切られ若隠居として下屋敷に押し込められた。蟄居に時間を持て余した殿は傅役と図って出奔し下町の長屋に住むが、持ち出した3両を使い切ったので糧を得るために口入れ屋に赴いたところ「相談人」の仕事を持ちかけられた。シリーズ「剣客相談人」は23巻あるようなので少しずつ楽しんでいきます。2021/04/11
ひかつば@呑ん読会堪能中
10
32歳ながら隠居させられてしまった藩主が下屋敷を出奔、浪人として爺と長屋住いを始め糊口を凌ぐため口入屋の伝手で揉め事仲裁の相談人になり事に当たるという話。3つの事件はかなりテキトーな話で、なんとも虫のいい仲裁話と決着の付け方。呑みながら読むと丁度いい。 2013/09/23
カバン
7
若隠居させられた殿様が、江戸の長屋に住み様々な依頼を解決するという、ちょっとありがちな話だけれど面白く読んでます。殿様だと隠してるのに、目付の兄を呼び出したり、長屋の住人には殿様と呼ばれたりしてしていいのかしら。2016/03/21
めにい
3
身を隠したはずなのに、お兄さんに頼ったり、堂々と名乗ったり、爺は「殿」と呼び続けるし・・・刺客に狙われなきゃいいけれど~2012/11/16