内容説明
1815年。ナポレオンがエルバ島に追放され、つかの間の平和を謳歌していた摂政期の英国―。ディアドレは偶然にも、ラスボーン伯爵との再会を果たした。5年前、心の奥では惹かれながらも、あまりに強引だった彼のくちづけと求婚を頑なに拒んでしまったディアドレ。今度こそ結婚を実現させようとラスボーンは、彼女の弟をも巻き込んだ大胆な策をたくらむのだが…。折りしも、ヨーロッパはふたたび戦火に覆われようとしていた。動乱の時代に燃えあがる愛と情熱を描いた、感動のヒストリカルロマンス。
著者等紹介
ソーントン,エリザベス[ソーントン,エリザベス][Thornton,Elizabeth]
スコットランドのアバディーン生まれ。長年にわたって児童教育の分野に携わっていたが、1969年、夫と3人の息子とともにカナダへ移住。幼稚園や長老派教会に勤めるかたわら、趣味としてロマンス小説を書いていた。1987年に処女作を刊行。それ以降は作家業に専念し、現在までに20点以上のヒストリカルロマンスを発表。RITA賞ファイナリスト7回のほか、多くの賞を受賞している。現在カナダのウィニペグ在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ち~
39
極度の男性不信の貴族令嬢ディアドレと、女性関係や性格について悪い噂が多い軍人の伯爵ラスボーン。とにかく最初の400ページは2人の喧嘩で埋め尽くされる。〈ラ〉求愛→〈デ〉拒否→〈ラ〉脅迫もしくは力ずく→〈デ〉逃亡→〈ラ〉反省→〈デ〉魅力に負ける…アンタら子供か!!最終的にほぼ手篭め状態、何かと秘密の多いラスボーンも問題だけど、異常なブラコンの上、自分勝手な妄想でラスボーンの本心を見ず、頓珍漢な言動ばかりのディアドレにイラッ。後半はナポレオンとの戦争でピリッとした緊張感があった。ナンダカンダでおもしろかった。2018/12/08
たまきら
24
読み友さんらの「熱い!男ひどい!」という感想がおかしくて。88年初版のこの話、後書きによると本国でも男子への評価が分かれたとか。一目ぼれなのにあがきまくる傲慢強引不器用ブルドーザー男子と、義父の不義のせいで男性不信の難攻不落美女、というこのケンカップル。女子グーでパンチ!男子流血!男子、彼女に近寄る男は弟にも嫉妬!…もうホント血の気多いです。ベドウィン一家でもウォータールー戦前夜のリッチモンド公爵夫人のパーティが書かれていましたが(信じられないことに未訳)、こちらの描写はさらにくわしくて面白かったです。2019/01/08
mao
19
熱いです!燃えるように激しい2人のロマンス、夢中で読みました!出征前日、決死の求婚をはねつけられ、5年後。戦地から戻ったヒーローはヒロインを伯爵夫人にすべく結婚包囲網でガチガチに囲っていきます。必死です。ヒロインは、病的なブラコンで頑固ちゃん。暴言吐いたり、ヒーローの気持ち踏みにじる行為もチラチラ…。結婚翌日に逃げ出し、舞台は戦地にもなるブリュッセルへ。ナポレオンとの戦争が愛し合う2人に忍び寄り…。ハラハラドキドキ!ヒーローは好き嫌い別れるらしいです。恐る恐る読んだけど、私は好きだった(≧∀≦)2017/03/17
choco
11
ヒーローのヒロインへの包囲網がすごいw執念深く、周到に仕掛ける。さすが諜報員。ヒーローは傲慢というより俺様な自信過剰の塊。ただ、尊大で容赦ないくせにヒロインの事は上手く扱えず。思いがけずヒロインもかなり強情なので。斜め読み仕掛けましたが上等で品ある夫婦漫才みたいな会話をするH/Hが面白く密度が濃くて長い話でしたがしっかり読みました。2016/08/05
ぽこ
6
ヒーローの愛情表現は強引で歪んでいる感じがした。ヒロインのことが好きで仕方なくて、欲しくてたまらないんだけど、彼の行動は大人として、いや人としてどうなんだろうか?ヒロインに対する行為は恐喝や暴行まがいで、最後の最後までその姿勢を崩さない(ある意味ブレずに彼女の愛を勝ち取るのは賞賛すべきかも)。せめてラストで己の行動を悔いあらためてくれたらなぁと思いました。前時代的な思考回路が興味深いお話でした。2014/07/07
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