内容説明
ユダヤ人迫害とともに、やがて反ナチスのレジスタンスが英国全土に広がり、ニックの身辺にもゲシュタポの魔手がのびてくる。ロンドンではウインザー公の王位即位の式典にヒトラーとその側近たちが訪英することになっていた。ニックは女闘士エンジェルとともにロンドンをめざす。だが、仲間のなかに意外な人物が裏切り者として潜入しているのを知る。死の危険と常に隣り合わせの綱渡り的な冒険が読者をぐいぐいと物語のなかにひきこんでいく反歴史小説。
著者等紹介
デイヴィス,マリ[デイヴィス,マリ][Davies,Murray]
英国のサウス・ウェールズ地方で鉱山労働者の子として生まれ育ち、奨学金で大学に進む。国際政治学と詩学で学位を取得したのち、新聞界に入った。デイリー・メイルやミラー社の記者として海外取材物で健筆をふるって名を挙げ、その後作家に転じた。『鷲の巣を撃て』(二見文庫刊)は英国の書評等で「出色の重厚な冒険サスペンス」と絶賛された
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感想・レビュー
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はばたくキツネ
2
中盤あたりで半ば予想が付いてしまったが、衝撃の結末。全体主義の占領下における占領民の十人十色を描いているのは面白い。が、主人公が巻き込まれ型すぎて、次から次へと都合良く(本人にとっては良くないだろうが)あちこちへ駆り出されるのは苦笑。ランボーばりの殺戮を繰り広げた時には思わず笑ってしまった。そのわりにはカタルシスも何も無い結末だが、「期待しておられたものと違っていたら悪しからず。英雄的な人物はほとんど出てきませんが、それはドイツの占領下で英雄になるのはむずかしいからです。」という一文が全てを物語っている。2011/10/25
可兒
0
衝撃の結末。SS-GBの比ではない2008/08/16