内容説明
本書の特色は、著者が中立的な立場を貫き、医療過誤の実態を客観的に描出している点にある。被害者や家族、あるいは支援団体側の言い分に偏ることなく、もう一方の当事者である病院・医師側の証言も取り上げている。この分野における問題解決の糸口が個々の医師を始めとする医学界のモラルの向上だけに止まらず、医療被害者の社会的救済を目的とした補償制度を確立することにある、と著者は考えている。
目次
生命の木―ある弁護士の挑戦
メスと秤―医者と患者の闘争史
立ち上がって歩きなさい―こうしてジョゼットは強くなった
ヒポクラテスの罪―医療ミスと法廷
子供がこの世に誕生する時…―ジュリィアンヌを襲った思いがけない不運
私のところに連れてきて…―さまざまな悲劇
秩序と混乱―医師会の暗い過去
見栄につられて―美容整形の誘惑とその代償
永遠の眠り―麻酔医たちの失態
無益な死―臨床医間の対立〔ほか〕
著者等紹介
ルスウール,ヴェロニック[Lesueur,V´eronique]
1967年、ノルマンディー地方のディエップ生まれ。古典文学、歴史学、心理学を学んだ後、数社の雑誌社でジャーナリストとしての経験(社会現象、行動生態、民間伝承に関する調査)を積み、著述生活に入る
佐藤潔[サトウキヨシ]
昭和28年、北海道生まれ。早稲田大学文学部卒業。昭和56年渡仏、パリ第三大学文学部で学ぶ。平成3年に帰国後、フランス語講師などを勤める。現在、テレビ報道、ビデオ翻訳を中心に、通訳・実務翻訳を専業としている。訳書に『兄とアルツハイマー』(晶文社)
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