出版社内容情報
街で見かけた「あの人」は「なぜ」そのような行動をしているのか……。そして「そのあと」はどうなったのだろうか……。出かけた先で見た人々や出来事を卓越した観察眼で描き、読者の想像力を否応なくかきたてる傑作エッセイ。
内容説明
街で見かけた「あの人」は「なぜ」そのような行動をしているのか…。そして「そのあと」はどうなったのだろうか…。出かけた先で見た人々や出来事を卓越した観察眼で描き、読者の想像力を否応なくかきたてる傑作エッセイ。
著者等紹介
乃南アサ[ノナミアサ]
1960年東京都生まれ。早稲田大学中退。広告代理店勤務を経て、88年『幸福な朝食』が第1回日本推理サスペンス大賞の優秀作になりデビュー。96年『凍える牙』で第115回直木三十五賞、2011年『地のはてから』で第6回中央公論文芸賞を受賞。また、16年には『水曜日の凱歌』で第66回芸術選奨文部科学大臣賞を受賞する。デビュー以来人間心理を巧みに描き多くの作品を著す一方、台湾に関する随筆や小説も発表し、活躍の場を広げている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きょん
41
街で見かけた人、出かけた先にいた人を観察するとこんないろんな変わった人たちがいるのかと驚く。何かが起こるわけでもなく人間観察に終始していて、それが唐突に終わってしまうのでその後が気になる。不思議な場面に遭遇して、それをこんな作品にしてしまうのはさすが乃南さんだ。2025/05/30
DONA
7
作家という職業の方は世間に対する見方が違うのか?同じ光景を見ても同じように感じられない気がします。ミステリを読んでいる間隔に陥るのに、解決しないことが多くてモヤモヤすることもありますが、次々読み進めてしまう面白いエッセイでした。2025/05/12
miohaha
5
作家の目と耳を通すと、世間はこんなにドラマに満ちているのかと。続編から読みましたが、1作目も読んでみたくなりました。2025/05/10
KT1123
4
作者の身の回りの、主に通りすがりの人達が書かれているエッセイ…なのだけど、一遍一遍、まるで短編小説のような描写で思わず唸ってしまうほどサスペンスタッチ。周囲の会話だけでなく、着ているもの持っているものなど、なんという観察眼だろう。ということの他に、東京というのは本当に人が多くて、密なんだなあとも感じたり。新型コロナでの自粛生活たけなわの頃とかも、もはや懐かしい感。2025/03/15
オールド・ボリシェビク
3
作家が日常で体験した徒然を記しているのだが、乃南アサ、本当に変なことばかりを経験しているなあと感心する。そういうものを招く、呼ぶ体質というか。これは続編で、前巻ではまだ、笑いや間抜けなこともあったのだが、本書ではひたすら歪んだ、撓んだ、ある種異常な体験が続く。さらにコロナ禍もあり、ひたすら暗い印象のエピソードばかりが並んでしまったようだ。現代人の嫌らしさ、どうしようもなさが横溢していて読後感に滓が残るようだった。2025/04/04