出版社内容情報
ひとりで死に、長期間誰にも発見されることのない、孤独死。定義は定まっていないが、今後日本で100万人規模で発生されることが予想されている。孤独死が起こった現場はどうなるのか、残された遺族は何を感じるのか、その壮絶なルポとともに、孤独死を防ぐためにはどうすればいいかを探る。2017年に刊行された単行本を文庫化。
内容説明
ひとりで死に、長期間誰にも発見されることのない、孤独死。今後日本で100万人規模での発生が予想されている。孤独死が起こった現場はどうなるのか、残された遺族は何を感じるのか、故人が抱えていたものとは…。著者が実際に特殊清掃に同行した壮絶なルポとともに、現代を生きる私たちが孤独死を防ぐためにはどうすればいいかを探る。
目次
第1章 孤独死予備軍1000万人の衝撃
第2章 遺された家族の苦悩
第3章 セルフ・ネグレクトと孤独死
第4章 支え合いマップで孤独死予備軍を防げ!
第5章 見守りサービスの手前にある孤独
第6章 「一人で生きること」と孤独死の間にある大きな溝
おわりに コミュニティに出会うということ
著者等紹介
菅野久美子[カンノクミコ]
1982年、宮崎県生まれ。大阪芸術大学芸術学部映像学科卒。出版社の編集者を経てノンフィクションを中心に執筆。孤独死や家族問題、性に関する多数の記事を扱う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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てくてく
6
タイトル買い。死ぬときは一人という場合がほとんどだとはいえ、死後数日あるいは数週間経ってようやくその死が確認されるような状況が増えている様子を特殊清掃業者に同行取材するなどして紹介している。自分も同居している人以外の家族や親戚とは疎遠なので、孤独死を知らされる側になる可能性は考えるし、自分の死後に残された人の死をめぐる迷惑は減らしたいと思っているので、死後数日内に死が把握できるシステムが整備されて欲しいし、そうでなくでもどうにかしておく必要がある。「エンリッチ」は私にも魅力的に映った。2024/03/08
あんこわねっと
4
身内に独身一人暮らしの高齢男性が3人いて心配です。偏屈で言うことを聞いてくれない。腐敗しないで欲しいのに。欲を言えばもっと人間関係を持って欲しい。今の日本はプライバシーを重視し過ぎたのかもしれない。コンプライアンスを重視し過ぎておかしなことになっているように。猫町倶楽部の中宮さんのエピソードは多津也さんの尽力によって問題児が仲間を得られ、人付き合いをしたことで近所との人間関係も変わってくる。自分の身内もそのように変わって欲しいが、多津也さんのような人は稀有だ。なかなか出来ない。世の中が変わって欲しいな。2024/03/23
Miyako Hongo
4
お一人様なのでタイトルに惹かれて購入。お一人様でなくても今は結婚した子供と同居が珍しい時代。誰にも看取られずに死ぬ可能性は誰にでもあるよな、と。…兄弟甥姪に迷惑かけない方向性で努力せねば。□ちょっと大きな決断をしなきゃならない時に相談できる人がいなくて愕然とした事がある。学生時代から付き合いのある知人とかいるけれど、生活の基盤が違いすぎて相談できないケースが多々。□団地の支え合いマップの話は各人の人格を尊重してる感じでいいな、と思った。役所の画一的な支援では孤独死は減らせない。人間関係に規格はない。2024/01/22
kousuke
2
親が高齢者の域に入ったから他人事ではない。対策を考えるきっかけになった。2024/07/24
Ryoko
2
何十年か後には3人に1人は一人暮らしになるらしいから誰でも孤独死する可能性はある、と知る。死後時間が経って発見された遺体の様子や後処理の大変さ、それに関わった人たちへの心理的負担に心が重くなる。死後早く発見されるには社会、近所の人たちとの繋がりが必要。それはよ~くわかるけどなかなか難しい。マスコミではコメンテーターが高齢者は集団自決しろ、みたいな発言が話題になってるが長生きするのも大変だ。2024/03/13