内容説明
大好評シリーズ『うさぎとマツコの往復書簡』1巻目が待望の文庫化。中村うさぎとマツコ・デラックスが自身の本質を掘り下げた業火の書簡の数々。忌々しい業も煩悩も生き恥も、曝し続けることで居場所を確保してきた二人の姿は、読む者の息を詰まらせる。「わたしがわたしを理解したい!」とさまよい続ける魂の記録。
目次
対談 往復書簡、その前に―うさぎとマツコの出会い
1 ない物ねだり地獄―産まない性の欠落感
2 コンプレックス心中―同類への苛立ちその根源
3 自意識ジレンマ―自らを客観視するほど遠のく楽園
対談 政と性―大きな国家、成長戦略への反旗
4 「本当の自分」幻想―手応えある人生についた皮肉なオチ
5 何者かになりたい欲求―自ら選んだ女装オカマと奇行ババア
6 魂の売買―この世に生きる資格をいただけた唯一の手段
7 パンドラの箱―繋がり希求後の「からっぽ感」
対談 性と差別―対等感を排除するお笑いもエロも差別よ
SPECIAL INTERVIEW 「あの頃の中村うさぎとマツコ・デラックス」(『うさぎとマツコの往復書簡』初代担当編集者・山田道子)
著者等紹介
中村うさぎ[ナカムラウサギ]
1958年、福岡県出身。同志社大学卒業後、OLなどを経て作家デビュー
マツコ・デラックス[マツコデラックス]
1972年、千葉県出身。美容専門学校を経てゲイ雑誌の編集部に勤務。その後、エッセイスト&コラムニスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
rakim
10
異端の人と異形の人、うさぎさんもマツコさんもお話になっている、お書きになっていること・ものがそれぞれ面白くて好きなので「往復書簡」は是非読みたいと購入。誰でも「普通」って何?と疑問に思ったことがあると思う。「普通」の中に逃げ込んでいるととりあえず安心ってところがあると思う。お二人の同調している部分と調和していない部分、それをぶつけながらも見えてくるものは〝異〟だからこそ凝視できるのかもしれない。このお二人に対してはちょっと野次馬気分がありながらも注目したいと思っています。2016/09/14
やまねっと
8
なんか世の中に関する愚痴を書簡にした体で読まされた感じがある。が、しかしそれが激烈に面白かった。 マツコは女だと思った。うさぎは相変わらずおっさんだなと思った。 満たされない中でこの人たちは一生満たされないのだなと同情心さえ生まれてきた。 10年以上前の本だけど、二人の思考回路がよくわかる非常に優れた本だと言える。2022/01/12
Mariko
7
「普通の人生」か「普通じゃない人生」の差はどこで決まるんだろう。どちらにしても人間が求めているものは共通していて、手にいれてる人といない人の差は何だろう。まさかこの本で自分の人生振りかえるとは。泣いちゃったよ、すごくて。2014/10/25
美麗
6
何か気楽に読めるものを、と思って買ったのに予想に反して哲学的かつ真摯かつ切実な内容で胃がキリキリしてしまった。どうしても中村うさぎに自分を重ねて見てしまって(反面教師的な生き方とか過剰な自意識とか歪な愛し方とか)重く、身につまされる。辛くて痛い。30代以上の独身女性は読むと落ちる危険性があるので要注意。もっとライトでポップなのを期待してたのにー!泣2014/10/06
百花
5
私的には注目すべきお二人の、厳しすぎるほどの自己診断。往復書簡という形で自らを省み、または相手を読み解こうと試行。ほとんど自虐の世界を呈しながらも、それは痛々しさをもって私に迫ってくる。中村うさぎ氏は以前から著書を読ませていただいているが、マツコさんの文字になった言葉は初読みだ。お二人の関係性も知らなかった。けれど、親しく感じるのは何故か。この二人、目が離せない。2019/07/19
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