出版社内容情報
様々な出会いに恵まれ、時に寄り道をしながらも遠州を抜け、徐々に目的地である京に近づいてきた小泉屋新兵衛たちへっぽこ一行。順調に見えた道行きで、しかし行く先に見えてきたのは南に足を向ければ伊勢へとつながる分かれ道。これまでの道中で散々耳にしてきた伊勢参りという言葉が脳裏にちらつき、つい心惹かれてしまう新兵衛は、はたして京と伊勢、どちらに向かうのか? 大好評の珍道中時代シリーズ、第四弾!
【目次】
内容説明
岡崎宿を発った小泉屋新兵衛らへっぽこ一行は、道中で旅を急ぐ瞽女や、訳ありげな母子連れなどと出会いつつ、東海道を西へ進んでいく。やがてたどり着いたのは、東海道と伊勢に向かう街道が分岐する日永の追分。旅路の中で何度も耳にする伊勢とは果たしてどれほどのものなのか、どうしても気になった新兵衛は、寄り道も旅の醍醐味と自らに言い訳をし、南に足を向ける。一方、江戸では新兵衛とお菊の縁談に、なにやら暗雲が漂いはじめており…。旅は道連れ世は情け、笑いあり涙ありの大人気時代シリーズ、第四弾!
著者等紹介
稲葉稔[イナバミノル]
1955年熊本県生まれ。脚本家、放送作家などを経て、94年に作家デビュー。冒険小説、ハードボイルドを皮切りに、近年は時代小説に力を注いでいる。2020年、「隠密船頭」シリーズが第9回日本歴史時代作家協会賞文庫書き下ろしシリーズ賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しんごろ
133
およ!なんだか物騒なことが起こった今作だったねえ。旅には寄り道はつきもの。この寄り道は、旅が終われば良い思い出でもあり、切ない思い出にも苦い思い出にもなりそうなお伊勢参りの寄り道だったね。そして、旅は一期一会であり、旅は道連れ世は情けでもある。新兵衛、和助、稲妻五郎のへっぽこ一行、そうは問屋が卸さないような旅が続きそうだけど、無事に京にたどり着いてほしい。そして、新兵衛には真面目に何かをつかんでほしいな。一方で、江戸の小泉屋の縁談の動きも気になる。当然、次作を早く読みたい。ああ、待ち遠しいわ。2025/09/17