出版社内容情報
父を闇討ちにした山口小助を追い、仇討ちの旅に出た熊田十兵衛だが、小助を探し出すことができず目を患ってします。そのことを知った小助はある企みをする「熊田十兵衛の仇討ち」ほか、六編を収録。
内容説明
父の敵である山口小助を討つべく、仇討ちの旅に出た熊田十兵衛。だが何年たっても宿願は果たせず、十兵衛は目を患ってしまう。やがて、十兵衛の視力が衰えていることを知った小助はあることを企むが…(「熊田十兵衛の仇討ち」)、甲賀忍びの頭領・山中俊房に仕える小五郎は、自らが討ちとったはずの明智光秀が生きていると知らされ…(「首」)など、珠玉の六編を収録。
著者等紹介
池波正太郎[イケナミショウタロウ]
1923年東京生まれ。劇作家をなどを経て60年『錯乱』で直木賞を受賞。77年に吉川英治文学賞、88年に菊池寛賞を受賞。86年には紫綬褒章を受章した。90年、死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ケンイチミズバ
65
そぎ落とされ荒々しい文体が劇画調で読みやすいが、藤沢周平に慣れ親しんだ自分からすると粗野な感がある。しかし、仇討ちという復讐の物語には合ってる。漫画のようにスラスラ読めた。本能寺に攻め入ることを重臣すら直前まで知らされず、行軍途中の雑兵らは信長の警護のため京へ向かうと思っていた。謀反を知り得た忍びは光秀からの信頼が厚く、そばを離れることができない。できないまま、ことは起こってしまった。忍びにおいては痛恨であった。せめて光秀の密書を持ち反信長勢の元へ走った男を阻止するしかない。そして信長の首は隠すしかない。2025/04/17
陽ちゃん
5
表題作を含め、仇討ちに出たとしても、“本懐”を遂げることがどれだけ大変か⋯武士にしろ忍にしろ、並大抵の苦労ではなかったかと思いますが、本懐を遂げないと元の身分に戻れないなんて、理屈は分かりますが当事者にしたら非情なしきたりですよね。それはともかく、やっぱり池波正作品はいいですね!堪能しました。2025/03/20
asky0084
1
★☆☆☆☆2025/03/19
Akio Aratani
1
仇討ちの悲哀を込めた短編集2025/03/07