出版社内容情報
札差の放蕩息子の新兵衛、陽気な太鼓持ちの和助、偉丈夫だがどこか頼りない侍の稲妻五郎の一行は、心機一転また京を目指して江戸を発った。小田原を越え、三島宿に差し掛かった新兵衛たちは、父親のためにお伊勢参りに向かう娘と出会い、交友を深めるなどしていたが、泊まった宿で泥棒騒ぎが起きる。財布を盗まれ、憔悴する客を放っておけぬと、新兵衛はかすかな手掛かりから盗人を探し出すことを決意し……。愛すべきうつけ3人組の珍道中を描く、笑いあり涙ありの大注目時代小説シリーズ、第二弾!
内容説明
ふたたび東海道を辿って京を目指す小泉屋新兵衛、和助、稲妻五郎のへっぽこ三人組は、三島宿の草鞋を脱いだ旅籠で泥棒騒ぎに巻き込まれる。田子の浦では不貞を働いた妻を追う侍に行き会い、府中宿では怪しげな一行と投扇に興じるなど、道中はまたしても様々な人との出会いと刺激的な事件に満ちていた。一方、江戸では新兵衛に舞い込んでいた縁談話も密かな進展を見せており…。笑いあり、涙ありの傑作時代小説シリーズ、第二弾!
著者等紹介
稲葉稔[イナバミノル]
1955年熊本県生まれ。脚本家などを経て、94年に作家デビュー。冒険小説、ハードボイルドを皮切りに、近年は時代小説に力を注いでいる。代表される作品に「浪人奉行」シリーズ(双葉文庫)や「隠密船頭」シリーズ(光文社時代小説文庫)、「武士の流儀」シリーズ(文春文庫)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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しんごろ
126
なぬっ!そうきたか。苦笑いしちゃうね。水前寺清子の“365歩のマーチ”では、「三歩進んで二歩下がる」であるが、新兵衛はそれ以上だわ。下がりすぎだろ(笑)。そして、懲りないなあ。今回は新兵衛がまいた種。賭け事はほどほどにね。それにしても、新兵衛は懐が深い。ちゃんと、店の事、弟の新次郎の事を考えてる。そして、将来に向けての思い描く先々の考えを実現してほしいな。お見合い、稲妻五郎は謎だらけだし、このシリーズは楽しみがいっぱい。新兵衛の行く末と成長ぶり、京に辿り着けるかしかと見届けたい。楽しみなシリーズだ。2025/01/25
タイ子
72
3人の西への旅が再び始まる。まずはこわ~い箱根の関所を無事に抜け、三島の宿で新兵衛は江戸の実家を思ってみたり。一方、江戸では新兵衛の母親が若い男との逢瀬で「捨てちゃいやよ」などとのたまっている。大丈夫か、この家。一方、三島の宿で護摩の灰と呼ばれる盗っ人が現れ被害者が。捕まえてやるぞと意気込んだ3人は犯人を捜すべく旅の目的は一休み。そうかと思うと次には女敵討ちの侍と会ったり何だかだと旅の絵日記は(書いてれば)増えていく。そのうちまたもや路銀が足りなくなり途中で江戸にUターン。京ははるか彼方なり~、うふふ。2025/03/09
楽駿
23
品川図書館本。大分、最初の巻よりは、東海道の道筋を進んだが、またも、ここにきて振出しに戻る。江戸時代の風物詩や、東海道沿線の町のありようやら、旅立ちの支度姿やら、当時の気分にしてくれる仕掛けは、そこそこある。それだけに、またここで戻るのは、かなり残念。箱根超えの厳しさも、これを読み、久しぶりに思い出してみた。この調子で、行ったり来たりするのなら、京都に着くのは、どれほど、行ったり来たりした後なのか?もう一回、振出しに戻ったなら、先を読むのは、少し考えるかも。2025/03/28
ふわりん
10
一巻目が面白かったので、続いて二巻目。今回は京を目指して出発したけど、箱根越えは天下の険だけあって並大抵ではない。この度の膝栗毛でも関所破りに遭遇したり泥棒を捕まえたり、そうそう敵討にも巻き込まれたし、挙句の果てには投扇興の賭けに負けてほぼ有り金をはたいたり、本当にいろんな災いに遭ってしまう。でもそれなりに三人共楽しそう。楽ありゃ苦もありの道中を読んでる私も三人に愛着が湧いて来てることだし、とても楽しく面白かった。それにしてもまたまた途中でとんぼ返り、この三人、いつか京に辿り着ける日が来るんだろうかなぁ。2025/01/29
風鈴
4
三人の道中が面白くて一を読み、二へと進む。またまた事件が起きなかなか京には辿り着けないなとヤキモキする。まあシリーズ本なのですったもんだの道中記だ。新兵衛は遊び人だが人情に熱く頭も切れる。商売を真面目にやったらなかなかの実力者になりそうな予感。今は充電期せいぜい珍道中を楽しもう。中でも投扇興の勝負ハラハラしたが見事取返し路銀まで稼いだ新兵衛あっぱれだ。練習研究の成果だ。札差業の今後を頭に置きながら旅を再開する新兵衛一行次にどんな事件が待ちうけるか。三人と東海道を旅している気分になり楽しい。2025/04/28
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