出版社内容情報
怪我で静養中の来合轟次郎に代わって、定町廻りのお役を勤めることになった裄沢広二郎。慣れない市中見廻りに足を棒にする日々が始まった。そんな折り、深川入船町でお上の御用を勤めていると言う亥太郎が、手札を頂戴したいと裄沢に声をかけてきた。強引で太々しい亥太郎に警戒心を抱いた裄沢は……。人気シリーズ第3弾。
内容説明
覆面の一団に襲われ療養を余儀なくされた来合轟次郎に代わり、定町廻りのお役に就いた裄沢広二郎は、臨時廻り同心・室町左源太の助力を得て、慣れない市中巡回に足を棒にする日々を過ごしていた。そんな裄沢の前に、亥太郎と名乗る深川入船町の岡っ引きが姿を現す。御用聞きの手札目当てに町方役人に取り入ろうとする亥太郎を裄沢は突っ撥ねようとするのだが…。道理に合わなければ上役にも臆せず物申す裄沢の奮闘を描く、書き下ろし痛快時代小説、シリーズ第三弾!
著者等紹介
芝村凉也[シバムラリョウヤ]
1961年宮城県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。二十数年のサラリーマン生活を経て著述活動に入る。2011年「返り忠兵衛 江戸見聞」シリーズにてデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とし
79
北の御番所 反骨日録「蟬時雨」3巻。権威、権力に屈しない強靱な精神、意欲、気概ある北町奉行所の裄沢さん今回も楽しませてもらいました。2023/05/23
やま
75
頑固ではあるが、真っ直ぐな気性の北町奉行所の裄沢広二郎が、活躍する物語です。此度は、着任挨拶、畑の死人、怪盗、蝉時雨、の短編4話。「着任挨拶」が面白いです。物語は→定町廻り同心の来合が、怪我で休んでいる間の代役として用部屋手附同心から定町廻り同心に抜擢になった裄沢であったが。その裄沢を脅して自分の意のままに動かそうと考える破落戸の亥太郎が、裄沢の前にあらわれる。→慣れない定廻りを拝命した裄沢が、亥太郎をどう捌くかが見せ場です。🌿続く→2022/02/14
ニッキー
11
面白い❣️ 剣の腕は駄目みたいだが、頭が切れる。 なかなか、外回りも対応出来る。 外回りが続けられるのか、内勤に戻されるのか。 奉行の小田切も結構タヌキ。 今後が楽しみ❣️2021/12/28
coldsurgeon
7
1800年ごろの江戸時代後期、江戸北町奉行所を舞台とした時代小説。やさぐれ鉄斎と陰口をたたかれる同心が主人公。道理に合わなければ上役にも物申す主人公の活躍は、町に住まう人々の相談にものることがあったという事実を、物語にうまく組み込んでいる。主人公を陥れようとするたくらみには、洞察力の鋭さを武器に、乗り切ろうと躍動するその姿は、凛々しく、清々しい。2024/04/03
ワンモアニードユー
4
シリーズ通した敵役になりそうなキャラの登場、自身を貶めようとする者たちとの戦いなど、読みどころ多し。安定してきた。2024/10/04