出版社内容情報
何かと克次に突っかかってくる岡っ引きの正蔵が何者かに斬られた。時を経ずしてかつて克次の手下だった安五郎も似た風体の者に「恨みがある」と襲われた。克次の頭に、以前岡っ引きだった時分に探索に加わった、ある娘殺しの一件が思い浮かぶ。となると、仕えていた同心の中山家、ひいては慕っていた早苗にも危害が及びかねない。克次はまた探索に乗り出していく。一方で、お京との間柄もはっきりしなければならない時が来ていた。爽快かつ白熱のシリーズ最終巻!
内容説明
岡っ引きの正蔵と安五郎が立て続けに刀を持った男に襲われた。男は「恨みをはらしてやる」と吐き捨てたといい、安五郎が供をしていた早苗を狙ったとも考えられる。早苗はかつて克次が仕えていた同心・中山庄二郎の娘。これまで関わった捕り物に恨みを抱く者の仕業か…すると、八丁堀の中山家を窺う怪しき影までが現れた。克次は決心し、もう一度探索に加わることを願い出る。危ない真似をするのはこれきりにする―誓ったお京のためにも、ここで一切の禍根を断つ!胸を打つシリーズ最終巻。
著者等紹介
築山桂[ツキヤマケイ]
京都府出身。大阪大学大学院博士後期課程単位取得。専攻は日本近世史。1998年『浪華の翔風』で作家デビュー。「緒方洪庵 浪華の事件帳」が、2009年にNHK土曜時代劇でドラマ化。『緒崎さん家の妖怪事件簿』(小学館ジュニア文庫)など児童書も手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やま
78
元岡っ引きで、家請人である江戸南森下町の大和屋克次の人情捕物噺です。家請人とは、今でいうところの賃貸保証人・保証人代行などの不動産業者です。最終回にして、やっと克次とお京の仲が結ばれるようです。二人で住む新しい住まいを見に行くところで終わっています。いつ一緒になるのかと思ってヤキモキしてきましたが、やっと一緒になるのだと思うと…。これからの2人の生活を書いてほしいです。シリーズ4作目《完》字の大きさは…大。2021.10.14読了。★★★☆☆2021/10/14
ミニッシュ
1
家請人克次シリーズ、おそらく最終巻だろうな。無事お京に告って一緒になるみたいだし、岡っ引きのまねはもうしないと言ってたしな。わしとしてはもっと事件に出しゃばってほしいところなんだがな。克次実に魅力的なキャラだぞ。2021/10/09