出版社内容情報
4年に及ぶ国境の砦番を解かれ、浜松城に呼び戻された茂兵衛。鉄砲も護衛の槍足軽も加増され、押しも押されぬ足軽大将となった。が、出世を喜んでばかりもいられない。吝嗇な主・家康は使える者はとことんこき使う。茂兵衛は、内応の密約をした武田側の穴山梅雪の妻子を救うため、甲斐に潜入することに。
内容説明
4年に及ぶ国境の砦番を解かれ、浜松城に呼び戻された茂兵衛。俸給も配下も増え、押しも押されもせぬ足軽大将となった。が、出世を喜んでばかりもいられない。本多平八郎からは「今後おまんは殿から徹底的にこき使われる」と脅かされてしまう。程なく、いよいよ武田の息の根を止めんと、信長の号令一下、甲州征伐が開始された。茂兵衛は、内応を密約した武田の重鎮、穴山梅雪の妻子を奪還するため、敵の本国である甲斐に潜入するように命じられる。戦国足軽出世物語、胆大心小の第6弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
289
本能寺前後にあたる巻は、まず面白いものになるだろうと予想していたが、描かれる織田家の面々、信長や信忠に雰囲気があり、つい心情的に肩入れしたくなる。最期の最期でついに本能寺の変が勃発。間をおかずに買い置きしてあった『伊賀越仁義』へ。今は二冊まとめて読み終わった後にレビューを書いている。家康の狸具合が顕著になり、話の展開上、茂兵衛が不自然なほど大名に好かれて、接触を持っていくので、その陰謀がリアルタイムで解説されていくのが楽しい。また、茂兵衛と信龍の一騎打ち…ともいえないが、勝負はシリーズ屈指のベストバウト。2022/08/03
ねこ
142
三河雑兵心得6巻。主人公の茂兵衛34歳。今の時代からすると、これから脂が乗り円熟に向かう年齢。但しこの頃、人の平均寿命は30歳から40歳。鉄砲大将として外見内面共に貫禄十分な人物に成長しています。100名余りの配下と石高250貫(年俸2500万円)当時の最新鋭武器の鉄砲50艇を有し、運用、戦術に長け家康どころか信長からも配下にとの声が掛かる逸材です。それにしても今回は移動距離が凄まじい。騎乗でも大変そうなのに徒士は全て歩きで棒給もぺコンペコン。さて、本能寺の変も起こりドラマチックな展開に次巻が気になります2022/11/05
みっちゃん
141
何とも悩ましい…家康や上役からは面倒な仕事ばかり押しつけられて、巧くやり遂げれば織田信忠や穴山梅雪から目をかけられて、それがまた他の家臣や家康には面白くないという…ちょっと家康さん、あんた器が小さくないですか。そして綾女…妻子と部下を大事にする茂兵衛の弱みになっちゃうのかなァ…もうあんまり茂兵衛を惑わさんで欲しいんだわ…ラストにはいよいよ起きたよ、本能寺の変!これは大変だよ!家康たまげるだろうなあ(@_@;)次に進む!2022/11/10
のり
102
本作では大いに世が動いた。ついに武田との完全決着と、本能寺が一冊に纏められているとは…人柄が変わった様な家康に、扱き使われる「茂兵衛」。休む間もなく駆り出される。そんな中、「信忠」とのやり取りが良かったが、茂兵衛としては心情的にキツかっただろう。それにしても「穴山梅雪」の立場はどちらに転んでも悲劇としか言えない。2023/08/18
やま
93
茂兵衛の成長が楽しみな展開です。武田と争い三河、遠江の領有をめざす徳川家康に仕える植田茂兵衛の出世物語です。此度、徳川は、遠江における武田方の拠点、高天神城を攻め落とし。駿河へ進出し江尻城主・穴山梅雪の道案内で甲斐へ攻め入ります。一方、織田は、信濃木曾谷の領主・木曾義昌が武田を裏切り織田方へ寝返ったので。織田信長は、嫡男信忠を総大将として信濃から甲斐に攻め上って行く。その後の論功行賞で徳川は、信長から駿河一国を与えられ。三河、遠江、駿河の太守となります。🌿続く→2022/03/16
-
- 和書
- 戦国城砦群 文春文庫