出版社内容情報
反・松平定信ということで急接近した尾張徳川家一門と将軍付御年寄・滝川。滝川に気に入られた正紀は、彼女の拝領町屋の立て直しを命じられる。これまで以上の利益が出れば、滝川と高岡藩で折半という好条件に張り切る正紀だったが……。好評・書き下ろし時代小説、第15弾!
内容説明
一度は袂を分かった宗睦と滝川が、反定信の旗印のもと急速に接近しはじめた。政権交代をも視野に入れる尾張徳川家一門にとって、発言力を持つ大奥御年寄を味方につけることは、非常に重要だ。宗睦は滝川の歓心を買うべく、空き家になっている彼女の拝領町屋敷の再生を正紀に命じたのだが…。好評・書き下ろし時代小説、第15弾!
著者等紹介
千野隆司[チノタカシ]
1951年東京生まれ。國學院大學文学部卒。出版社勤務を経て中学校教諭となる。90年「夜の道行」で第12回小説推理新人賞を受賞。「おれは一万石」シリーズと「長谷川平蔵人足寄場」シリーズで第7回歴史時代作家クラブ賞「シリーズ賞」を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はにこ
29
大奥の滝川の持ち家の世話に、尾張一門の三宅家の三方相対替の話、水害で損傷を受けた船を使った新たな商い。正紀は大忙し。三宅家は自業自得だけど、その他は上手く収めたなー。京の女の心指南は面白いね。何だかんだ正紀のことが好きなのが微笑ましい。2021/06/10
ひさか
16
2020年12月双葉文庫刊。書き下ろし。シリーズ15作目。尾張藩のために大奥の滝川の警護と滝川の拝領屋敷の面倒を見ることになった正紀。いつものように奥方の京や家来、与力の山野辺と協力して、難題にあたる。上首尾で終わって良かった。滝川に気に入られたというのが面白い。次巻の滝川との話が楽しみ。2021/02/28
ツン
12
正紀、高貴な方にもてますね。ツンデレのツンだけな感じもするけど。 よく考えてみると、強くて仕事のできる男ですね。2020/12/16
鮫島英一
11
今回正紀に下された指令は女性の機嫌を取ること。勿論ただの女の筈がなく、大奥御年寄『滝川』ときた。尾張一門の命とてご無体な。嫁の機微すらわからぬ者に女性の機嫌などとてもとても……否、尾張一門当主の命となれば是非もなし。正紀は芝居小屋の接待を卒なくこなすが、生憎下された命は機嫌取り。それだけで終わる筈もなく、拝領町屋敷の再生まで仰せつかる。流石は魑魅魍魎が跋扈する魔窟の要人、大名家をいいように顎で使いやがる。この鬱憤は悪党退治で晴らせばいいじゃん的に当たり散らす。これぞ時代劇。今日も御江戸は日本晴れ。2021/12/02
moo
8
またもや商人が武家と組んで悪さを仕掛ける。なんだかまだ終わってはいないが、いったん落ち着いて次へ。なのかな。滝川さまは、最初に転びかけたところを抱きとめちゃったからもうロックオンですよ。京さまヤキモチですね。2022/09/26