出版社内容情報
天下の覇者・豊臣秀吉が死去したことにより起きた豊臣家の内紛。秀吉の恩に報いようと西軍をまとめる石田三成と、天下への野望を持つ東軍の徳川家康が激突。世に名高い関ヶ原の合戦を、秀吉の正室・寧々の視点を交えて描く。不仲だといわれてきた寧々と三成の関係に新解釈を加える意欲作。
岡田 秀文[オカダ ヒデフミ]
著・文・その他
内容説明
天下の覇者・豊臣秀吉が死去したことにより起きた豊臣家の内紛。秀吉の恩に報いるべしと立ちあがる石田三成と、満を持して天下統一へと動きだす徳川家康。世に名高い関ヶ原の戦を、秀吉の正室、寧々の視点を交えて描く圧巻の戦記。
著者等紹介
岡田秀文[オカダヒデフミ]
1963年東京生まれ。明治大学卒業。99年「見知らぬ侍」で第21回小説推理新人賞、2002年『太閤暗殺』で第5回日本ミステリー文学大賞新人賞を受賞。『太閤暗殺』は「おすすめ文庫王国2004年度版」で時代小説部門の第1位になる。15年『黒龍荘の惨劇』で第15回本格ミステリ大賞、第68回日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)の候補になるなど、歴史小説やミステリーで注目を集めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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金吾
22
全体的にあっさりしているように感じますが、北政所、三成、家康、秀秋、正則、輝元等の思惑についてある程度妥当性が感じる視点があり面白かったです。まあこの話の北政所は結果的に何も出来なかったように感じました。2021/09/07
スプリント
9
秀吉の正室寧々の視点で秀吉の死から関ヶ原の合戦終結までを追った時代小説です。世間一般で言われるほど家康の圧勝ではなかったことや三成の人間的には未熟だが人を引きつける魅力も持っていた点が読みどころかと。2018/12/31
Ryuji
5
★★★★☆三成・家康それぞれの側面から「関ケ原」を描き、その中に秀吉の正室・寧々の視点を織り交ぜて書かれた小説です。なかなか読み応えがあり面白い小説でした。家康がなかなか小山評定後、なかなか江戸を動かなかった理由や秀忠が関ケ原に参陣出来なかった理由など分かり易い。小早川秀秋が家臣に翻弄され苦悩する姿は、当時の年齢からして本当はこうだったのだろうと思わせる。関ケ原後、三成が三条河原に晒された時の三成の娘・辰と寧々の描写は泣ける。2019/03/21
micari
4
98.関ヶ原入門にはちょうどいい内容とボリュームだと思う。他の関ヶ原作品を読んだことがある人は、アッサリしすぎていて物足りないかな。もっと人間関係のドロドロしたところとかを期待していたんだけど…。淡々と始まり、淡々と終わりました。石田三成も好きだけど、裏切り者の小早川秀秋も好きなので、そのあたりをフィーチャーしているのが良かったかな。あと、大谷刑部を美化しすぎていないところも良かった。関ヶ原の結果がどうあれ、時代の流れは家康を求めていたと思います。でも西軍に勝ってほしかった!2020/12/12
amebook
2
戦国時代に疲れ、時代が律儀者で知られる家康に傾いていく中で、豊臣家への忠義を果たそうと奮闘する三成が哀れ。 もう少し三成に人望があれば、歴史は、変わったかもという気もするが、関ヶ原の結果に関わらず、最後は家康の天下だったのかな。2020/01/23