出版社内容情報
佐々木 裕一[ササキ ユウイチ]
著・文・その他
内容説明
占いで生計を立てる、“市子”の女が、若い芸者から奇妙な依頼を受ける「うきあし」。同心の手先をしている金物屋の主人が、根津界隈で男を騙しているという女を調べていくうちに、驚愕の事実を知ることになる「根津の鬼女」など、市井に暮らす庶民たちの恋や人情を、軽妙な筆致で綴る、書き下ろし時代短編シリーズ第三弾。
著者等紹介
佐々木裕一[ササキユウイチ]
1967年広島県生まれ。『ネオ・ワールドウォー』(経済界)を2003年に発表し、以降、架空戦記を中心とした執筆活動に入る。2010年より活躍の舞台を時代小説に移行し、人気シリーズを数多く発表している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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shiozy
17
短篇集である。タイトルの「うきあし」は意味不明だが、副題の「あきんど百譚」に惹かれて読んでみた。江戸の商人や職人の姿が描かれているのだろう、と想像したが、ありゃりゃ肩透かしだった。帯に「心に響く四つの人情物語」とあるものの、どちらかといえば、ユーモアお気楽時代小説かな? 標題作「うきあし(浮き足)」、つまり幽霊なのだが、妾が数人、遺産相続でもめる話は軽妙で面白かった。2015/10/29
ぶんぶん
10
【図書館】あきんど百譚、市井の暮らしを描いて第三弾! 霊と交流が出来る市子である九女の風変わりな依頼を描く表題作をはじめ、苦難に立ち向かう船乗りの苦労話の「鞆の風」、縁があり武家の女房を助ける百姓が爽やかな気概を見せる「早稲田のみょうが」、沖八は金物屋だが同心の手先でもある、その沖八が巻き込まれた重大事とは…「根津の鬼女」の四編からなる人情時代劇。 あきんどの春秋を温かい筆致で描く人情譚。2015/11/29
klu
8
江戸お仕事小説3巻目。時代物が読みたくなるクールに突入したようです。満足しました。2015/11/09
よっしー
6
久しぶりにこのシリーズに帰ってきました!! どれも、最終的にはスッキリと綺麗に纏まった感じがして、さくっと読みたい時にはいいですね。表題作でもある、「うきあし」の意味に驚きです。昔から幽霊話や生霊はよくあったのかな。2017/04/30
はる
5
早稲田のみょうが、根津の鬼女が好み。田吾作の、なんだかんだ言って人がよく悪い事が出来ない所が、読んでいてやさしい気持ちになれる。根津の鬼女は、最後の怪談落ちが、なかなかいい。2019/09/11