内容説明
上州倉賀野に騒擾あり!荒天続きの凄まじい雨の中、不気味に膨らむ神憑き一行はついに宿場を襲い出す。その陰には一行を操る稀代の女悪党の姿が。もはや川堤は決壊寸前、このままでは公領水没も時間の問題―漫遊、否探索中の隠密廻・八巻卯之吉が捻り出した、神頼みならぬカネ頼みの仰天対抗策とは。シリーズ屈指の壮大なスケールで描く文句なしの傑作第十六弾!
著者等紹介
幡大介[バンダイスケ]
1968年、栃木県生まれ。武蔵野美術大学造形学部卒業。テレビ局嘱託職員、CM製作会社に勤務。1995年、文筆業に転じフリーライターとして活躍。2008年、「天下御免の信十郎」シリーズ(二見時代小説文庫)で時代小説作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とし
131
大富豪同心「天下覆滅」16巻。(下巻)利根川に落ちて流されるも、神憑き集団が宿場を襲い大混乱、大雨で川が氾濫公領水没、本田出雲守、三国屋×酒井信濃守、天満屋政商争いで命を狙われているも能天気な卯之吉さん。今回は、祖父徳右衛門さんの活躍かな、最後に卯之吉さんの奇策で事件は解決したのは面目躍如か次巻も楽しみに待とう。2015/03/23
yamatoshiuruhashi
58
シリーズ16作め。ん?妙な展開になってきた。お峰は八巻をつけ狙うただの悪党女ではなかったのか。苦労を押し付けられる女衆を救うような意図を持って行動していたのか?作品は筆者の手を離れて成長することがあるという。本作も元々の筆者の登場人物構成から外れてシリーズを続けるうちに少しくシチュエイションが変わってきたのだろうか。老中筆頭出雲守の失脚を狙う信濃守。出雲守と一蓮托生の三國屋はこの事態にどう対処するか。能天気な卯之吉の頭の冴は本巻では捕物の推理よりは事態の収拾に発揮される。大人物に成長しすぎだ。2023/09/10
sin
53
世間への復讐か、はたまた女の意地のなせる業か、お峰の企みは近在一郷を捲き込んで天下を揺るがす騒動に膨れ上がった。そこには悪の首魁の思いもよらぬ女の切実な願いが潜んでいたが、悪女の自暴自棄な振る舞いはやがて災害へと転がり堕ちていく…天下の大事に老中の座も危うく、一方、御蔵米紛失の探索に当地に駆け付けた三国屋は獅子奮迅の保身に余念がない。バラバラに紛糾した出来事は流された卯之吉の出現に依って収まるところへと動き出す。2021/12/23
はにこ
32
前作からの続きで関八州での卯之吉ご一行。散り散りになっていたチーム卯之吉。消えた米や神憑き、川の氾濫などの問題に対処していくうちにどんどん終結。問題山積みな中でいつも通りの卯之吉や徳右衛門にはクスりとさせられた。お峰、きっと悲しくて寂しい人だったんだろうな。2021/08/15
jima
18
16作目。上州で川の氾濫、神憑き一行。正直、ちょっと飽きてきたかなぁ。2019/09/10