内容説明
口入屋の米田屋光右衛門がこの世を去り、しめやかに葬儀が営まれた。皆が悲しみに暮れる中、光右衛門の故郷常陸国青塚村へと旅立った湯瀬直之進と妻のおきくは、墓参に訪ねた寺で、「光右衛門は人殺しだ」と村人から罵声を浴びせられる。さらに寺の住職から手渡された遺言状には、思いもよらぬことが記されていて…。人気書き下ろし長編時代小説、シリーズ第二十八弾。
著者等紹介
鈴木英治[スズキエイジ]
1960年、静岡県沼津市生まれ。明治大学経営学部卒業。1999年、『駿府に吹く風』(刊行に際して『義元謀殺』に改題)で第一回角川春樹小説賞特別賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とし
117
口入屋用心棒「遺言状の願 28巻。直之進とおきくの祝言の席で倒れ亡くなった舅光右衛門から託されたの遺言を果たす巻。今回は直之進さん全面的に大活躍、富士太郎の抱える事件とはリンクせず未解決次巻に持ち越しかな?2015/11/23
はつばあば
40
最初の方で「泣き女」と言う言葉が出てきて?あれは韓国や中国の話では無いのかと検索。江戸時代にもあったんですねぇ。光右衛門に泣き女など雇う必要もないくらい、皆にその死を惜しまれた。そして遺言状により・・光右衛門の人の良さ、そしておきくさん達の母親の事がわかった光田屋の面々。反面巷では事件はそれなりに冨士太郎を苦しめているようですが・・次の巻ですっきりするでしょう。人の人生の終焉、死顔等・・今迄歩いてきた結果が全て醸し出されるのでしょうね。昔は畳の上で死ねるのが一番の幸せだったようです2022/06/29
ひ ろ
22
★★★☆☆ 直之進とおきくの婚礼の場で光右衛門は倒れ、帰らぬ人となった。 直之進は光右衛門の遺言に従い古い凶悪事件を解き明かす。そこには数々の亡き舅の男気の軌跡が。 死ぬ前に孫を抱かせたかったねぇ。2022/05/21
ぶんぶん
19
【図書館】シリーズ、第28弾! 今回は祝儀の場で倒れて、そのままあの世に逝った光右衛門の葬儀から暫くして直之進は、光右衛門絶っての頼みで散骨に郷里を訪ねる。 もう一つ、光右衛門の遺言状の願いを叶える事に。 それは、思いの残る事柄を託す言葉であった。 人探しに懸命になる直之進、と同時に事件が起こる。 掏摸が両の手の指を切られて死体で江戸川に浮かぶ。 何とか直之進の捜査は終わったが、富士太郎の事件は複雑怪奇な要素を含み、次巻へ持越しとなる。 急いで次巻へ。 2023/09/06
あかんべ
8
気のいいタヌキ親父だとおもっていた光右衛門さん。葬儀より話がはじまり、彼の思い残しを儀息となった直之進が解決する。死んでから、彼の人柄に再度号泣する姿がよかったが、同時進行していた指を切られ死んだ、八十吉の下手人は分からずじまい。次巻へか?2014/05/28