内容説明
江戸に山吹の花が咲き乱れる春、雲州からやってきた若い浪人がいた。不傳流の師から譲り受けた愛刀助広を紙縒で封じた琴引又四郎。古びた口入屋「蛙屋」に足を踏み入れたことから、悪を懲らしめ善悪の帳尻を合わせる「帳尻屋」と呼ばれる集団や、殺生石と異名を持つ凄腕の浪人柳左近と親交することになる。著者渾身のシリーズ第一弾。
著者等紹介
坂岡真[サカオカシン]
1961年新潟県生まれ。早稲田大学卒業後、11年の会社勤めを経て文筆の世界へ。四季の変遷とともに人情の機微を繊細に描く時代小説には定評がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とし
49
帳尻屋始末「抜かずの又四郎」1巻。悪を見ると激しくいきどおりを感じる心優しき若者、過去の過ちで刀を抜くことを封印しているが、闇の組織帳尻屋と関わりを持つことになり剣を使う事に、師の教えで「義を貫く時のみ刀を抜いてよい」言われているが、刀を抜くことに躊躇する又四朗次巻はどんな展開になるのか楽しみ。 2014/03/29
ベルるるる
23
若さゆえなのか、経験のなさからなのか主人公が頼りない。その上なぜか刀が抜けない。自分の命が危機にさらされていても抜けない。これは抜かないというより、抜けないという事。何かそこには理由があるんだろうな。2019/04/09
ツキノ
16
【雲州から江戸神田へ】2014年1月発行。雲州で上士の妾腹に生まれ剣術の才能を開花させて仕官するも御役御免となり江戸へ出てきた琴引又四郎。口入屋「蛙屋」の忠兵衛、「殺生石」と呼ばれる柳左近、不運な武居数馬、その娘の志津と出会い、江戸の闇に巣くう悪党どもを闇から闇へ頬むる殺し屋組織「帳尻屋」のことを耳にする。刀ではなく拳や頭突きで相手を倒す抜かずの又四郎。硬派だけれど読みやすい文体がいい。図書館の利用者さんからの借本。2024/09/29
雅
16
仕事人的な作品だけど「抜かず」なので、頭脳戦かな⁉️と思いきや、周りが暴れてる2018/10/10
ぶんぶん
13
決して刀を抜かない又四郎、いつ抜くか、いつ斬るか気になる侍です。 「帳尻屋」闇の仕掛け人のような組織、でも、依頼で金を受け取ってはいないみたい。 組織の中で又四郎がどう変わって行くか楽しみです。 ちょっと、まだるこしぃ場面が多いかな。 先ずはシリーズ開始と言う事で人物紹介に終始した感じ、次巻以降の展開を見ましょう。2016/10/20