内容説明
若殿の稽古相手の任を解かれ、藩の上屋敷に行くことがなくなった筧忠兵衛の長屋に、定海にいたころ道場仲間だった峰岸覚馬が訪ねてくる。そんな折、忠兵衛は佃屋彦右衛門から、何者かが魚河岸を通さずに鯛を江戸に卸して商売をしており、その“脇揚げ”に定海藩が関わっているらしいと聞かされる。忠兵衛が動き出した先に待っていたのは!?書き下ろし長編時代小説、波乱の第十一弾。
著者等紹介
芝村凉也[シバムラリョウヤ]
1961年宮城県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。二十数年のサラリーマン生活を経て著述活動に入る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とし
64
返り忠兵衛 江戸「野分荒ぶ」11巻。え~忠兵衛が信頼している国元の帰った御前が裏切り行為・・・段々と複雑になってきましたね。2022/08/17
tengen
38
突然現れたその男は郷里の同門峰岸覚馬であった。諸式吟味掛という役を得て江戸へ上がってきたという。 魚河岸達を悩ます鯛の脇上げ。それは天名一家が定海藩隆胤と手を組んだ抜け荷であった。 脇上げのカラクリが洲崎屋の後押しと知った忠兵衛は覚馬と共に野分の最中に生け簀船に乗り込むのだがそこには覚馬の裏切りが待ち受けていた。 隆胤が手を染める裏取引を知った奥女中紗智は傷心のまま藩を抜け出し江戸へ向かった。2017/12/15
松風
9
前作の布石が展開を見せる。紗智はどうするんだろ…。やっぱり忠兵衛のとこに押しかけるのかな。2014/01/31
kazukitti
4
定海藩と御前の墜落フラグがどんどん積み重なってく感じ、奥女中も後悔するの前提でやっても無駄なこととかどうせ出来もしないことをやるフラグ、それでも一応主人公だけは多少なりとも剣の上でも上がって成長はしてるようで、取り敢えず刺客を返り討ちにして、何がしたいんだかよくわからない鬼六の野望フラグをまたしても食い破ると。よく言うと丁寧な積み重ねとリアルではあるんだけど、時代劇の定番とかテンプレからあえて外そうという試み?が、却って微妙な中だるみと言うか判然としない「で何したいの?」感を醸しちゃうんじゃないかなぁ。2018/09/16
あかんべ
4
御前が鬼六と手を組むとは!そのねらいが忠兵衛だと?金に物を言わせとはいえなんて婉曲な。覚馬がチャンスがあったのに、討てなかったのは自身の中で殺す理由が燃え上がらなかったからだと、私は解釈。決してページの都合とかじゃないと信じている。2013/12/12