出版社内容情報
吉原の不幸な女たちを組織し武装勢力を作り上げようと企む夜霧ノ治郎兵衛一味の残党お峰。狙いは八巻卯之吉の抹殺と豪商三国屋の財力。折しも、長雨で関東全域が洪水罹災し江戸市中は米不足で大混乱。米屋、米問屋、札差を狙う打ち壊しが囁かれ、町奉行所の警戒が厳しくなるなか、卯之吉が思いついた奇想天外な策とは。
内容説明
梅雨の長雨で関東全域が洪水罹災し、江戸の米蔵も水没。米不足に陥り大混乱の江戸の町。その機を利用し、吉原の不幸な女を束ねる一方、町人を煽動し打ち壊しを企む、元盗賊の残党お峰。狙いは同心八巻卯之吉暗殺と豪商三国屋の財力。不穏な空気に包まれ町奉行所の警戒が厳しくなるなか、絶体絶命の窮地に立たされた卯之吉。大好評シリーズ第七弾。
著者等紹介
幡大介[バンダイスケ]
1968年、栃木県生まれ。武蔵野美術大学造形学部卒業。テレビ局嘱託職員、CM製作会社に勤務。1995年、文筆業に転じフリーライターとして活躍。2008年、「天下御免の信十郎」シリーズ(二見時代小説文庫)で時代小説作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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sin
59
我が国は水が豊かなれど水に弱い…それは江戸の昔も変わらぬ悩みで、この度は長雨に祟られて米騒動に発展する。世直しを夢想する田舎侍を八巻憎しの女賊お峰が手玉に取って若旦那の泣き処三国屋に矛先を向かわせる。打ち壊しの矢面に立たされた三国屋!絶体絶命のピンチだが、商いに先見の明を持つ徳右衛門の手立てもあってか、何事にも無頓着な卯之吉が運の強さを見せ付ける。2020/03/31
yamatoshiuruhashi
55
大富豪同心シリーズ7作目。江戸に降り続く雨の為に水路は溢れ町は水浸し。浅草米蔵の米も水に浸かりダメになる。残った米も早く手当てをしないと黴を呼ぶのだが、道も泥濘、水路は急流で使えず。一大消費都市の江戸は町民が飢えに直面することとなり、それを契機に「打ちこわし」を策動する者、それに乗っかる悪者どもが暗躍する。例によって卯之吉は茫洋としながらも、そのピント外れが事件解決へのツボに嵌る。このシリーズ、馬鹿々々しいくらいに、主人公は努力せず期せずしてはまるツボと周りの努力の積み重ねだが時代考証の詳しさに驚く。2023/08/28
ケイ
46
しけてるという表現はそこからきたのか!なるほど。大雨が続くと、確かに舟も出せないし、吉原も干上がるよね。そんな時に、ご機嫌伺いできるなんて、粋なもんだわ。そして、おみね、怖し。2025/02/16
とし
38
大富豪同心 7巻 梅雨の長雨で江戸が洪水に米蔵も水没。米不足の大混乱御政道の過ちを正そうと米屋、米問屋、札差打ち壊をたくらむ浪人たちにに乗じて、卯之吉暗殺を企てる元盗賊夜霧ノ治郎兵衛一味の残党お峰との戦い。 全編おとぼけの卯之吉さんじゃなくなってきたのかな?2013/10/24
はにこ
32
江戸に水害が起き、卯之吉の後ろ楯である三国屋も打ち壊しのピンチ。水害に乗じてお峰も暗躍。卯之吉の最大の強みは資金力だと思うから、今までよりもピンチに感じた。お峰は意外とあっさり解決したけど、山蒐坊がまた攻めてきそうね。卯之吉の資金はどうなるのかな。2021/05/02
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