出版社内容情報
沼里藩主又太郎危篤の報を受けた湯瀬直之進は、沼里藩江戸藩邸に駆けつけた。藩主となってまだ間もない又太郎が命を落とすようなことがあれば、藩の存亡に関わる一大事。一方、国許では、腹違いの弟房興を擁立しようとする一派が動き始める。人気書き下ろし時代小説、シリーズ第十九弾。
内容説明
沼里藩主又太郎危篤の報を受け、故郷沼里に駆けつけた湯瀬直之進。城下が重苦しい気配に包まれる中、昏々と眠り続けていた又太郎が呟いたうわごとをきっかけに、藩内で様々な思惑が動き出す。予断を許さない藩主又太郎の容体、にわかに燻りはじめた御家騒動の火種―、御家存続を賭け、江戸へ向かった直之進の前に尾張柳生の遣い手が立ちはだかる!人気書き下ろし時代小説第二十弾。
著者等紹介
鈴木英治[スズキエイジ]
1960年、静岡県沼津市生まれ。明治大学経営学部卒業。1999年、『駿府に吹く風』(刊行に際して『義元謀殺』に改題)で第一回角川春樹小説賞特別賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とし
102
口入屋用心棒「跡継ぎの胤」20巻。このシリーズやっと半分ほど追いついたかな、又太郎さんの危篤から又々お家騒動が、今回はうまく収まりお家騒動の火種はなくなったような、直之進、佐之助、琢ノ介、富士太郎それぞれがいい方向に祝言はいつの巻になるのか楽しみ。2015/08/06
はつばあば
42
お殿様って大変ですね(;´∀`)。意識なくして呟いた人の名は・・早ご落胤か!。家来も早飲み込みで江戸を探し回る。そんなことをするより弟君をたてればいいのに・・。そんなことをすれば自分の勢力が・・なんて尻の穴の小さいやつばらよ。佐之助をみよ!将軍直々に500石で召し抱えるって言うのを一刀のもとお断りしたぞ!。今回は又太郎の運の強さと共に弟の房興の聡明さにも惚れましたわ(^^♪。房興江戸に出て・・また恋が始まるのかねぇ2022/06/26
ぶんぶん
19
【図書館】シリーズ、第20弾! 今回は、前巻のラストを引いて、又太郎危篤の知らせを受け沼里に帰る直之進とうわごとを聞き、江戸へ取って返す顛末を描く。 お家騒動あり、ご落胤騒ぎありの、盛り沢山のお話。 富士太郎の旦那殺しを絡めてテンヤワンヤ。 ひとり凄腕の剣客が現れる、佐之助、直之進を一捻りに出来る、柳生新陰流の使い手・川藤仁埜丞という男。 一作ではもったいないなと思ったら、これからも登場予定。 こんな男が出て来ると何でもアリで話にならないとも思うが・・・ともあれ、何とかケリがついて、次巻は新たなお話しに。2023/08/28
kazukitti
6
前巻のラストで取ってつけたようなヒキで、直之進は再度沼里へ行くもとんぼ返りで江戸で探索。猫の手みたく、もはや「友垣」と化した佐之助と琢ノ介の手も借り出して人探し。最後は富士太郎の事件とも絡みつつもまとめて解決して、おまけに沼里の事件も解決して大団円と、多分シリーズ始まって以来のいいトコ尽くしの第何部かの完バーンて感じ。一応、回収されてない伏線としては、キャラの今後の身の振り方ってことになるのかな。でも、琢ノ介と直之進の祝言が上手くいったら、こいつら義兄弟になるんだよなw2014/10/07
だいしょう@SR推進委員会
6
沼里の若殿、大ピンチ! またもや御家騒動になりかかる沼里のために、直之進が奔走します。おきくとの婚礼はいつになるのやら。佐之助と千勢は仲良く暮らしているのに。一方同心の富士太郎も、しっかり嫁を確保するわ、事件も解決するわで、絶好調です。そして、お互いを友と認める直之進と佐之助のやりとりが気持ちいい。相反していた頃を知っているだけに、嬉しく感じます。思慮溢れる若殿の弟君もこの先活躍しそうで、それも楽しみになりました。話の構成としては、これで一段落といったところですね。2011/10/07