出版社内容情報
五年前に江戸の町を荒らしまわった、大盗賊・夜霧ノ治郎兵衛一党が江戸に戻ってきた。色めく南町奉行所の面々。そんな中でもどこ吹く風と泰然自若としているのが、見習い同心の八巻卯之吉。夜霧ノ治郎兵衛一党探索に手が離せない上役から、貧乏長屋の大家殺害の捜査を命じられるが、この事件には深い秘密が隠されていた。
内容説明
五年前、一万両にものぼる大金を盗み、大坂に逃げた大盗賊の夜霧ノ治郎兵衛の一党が江戸に舞い戻った。南町奉行所あげて探索に奔走するが、見習い同心の八巻卯之吉だけは、吉原で放蕩三昧。そんなとき、卯之吉は貧乏長屋の大家殺しの探索を筆頭同心から命じられる。大好評シリーズ第三弾。書き下ろし長編時代小説。
著者等紹介
幡大介[バンダイスケ]
1968年、栃木県生まれ。武蔵野美術大学造形学部卒業。テレビ局嘱託職員、CM製作会社に勤務。1995年、文筆業に転じフリーライターとして活躍。2008年、「天下御免の信十郎」シリーズ(二見時代小説文庫)で時代小説作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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初美マリン
106
思い込みは、すごい。2021/05/11
ケイ
91
オーディブルで。細かいところまで唸るほど工夫されている。 ありえない勘違いが重なってどんどん大きな勘違いとなっていくのだが、無茶な話の運びとかイヤらしさがないのよね。若旦那はおぼっちゃまだけれど心が素直でキレイ。で、判断が真っ当だからいいのよ。この作品は、ドラマ化されたものと原作の乖離がホントないよなあ2024/02/08
yamatoshiuruhashi
58
大富豪同心3作目。大富豪の札差おじいちゃんは息子の名声を高めるために、富豪のドラ息子卯之吉が襲われるのを本人である同心・八巻に助けさせる。どうやるのかと思っていたら、なるほど。人の良さそうな貧乏長屋の爺さんの素性は最初からわかる筋立てだが、その娘がささやかな普通の幸せを続けるための思い切りも大富豪ならでは。これが本書の表題の所以。 2023/08/13
sin
57
人間、欲をかくとろくなことがないとは云うが、富み過ぎて欲を知らないこの男…最強!長屋に埋まった盗賊の隠し金一万両を巡る盗人達の暗躍に、上方から江戸入りした盗賊の頭に右往左往する先輩同心達、三国屋の若旦那の拐かしの計画と…てんこ盛りの事件を解決した後の卯之吉の大岡裁きならぬ八巻忖択はお見事(^_^)v2019/05/27
万葉語り
43
シリーズ3作目。朝帰りで長屋の大家の死体に会ってしまったところから、奉行所で一人だけその事件の担当になる卯之吉。そしていい調子に今回も手柄を上げていく。荒海の親分さんの盲目的な誤解が笑えた。きっと作者も楽しんで書いているのだろうと思う。2020-0192020/01/30