内容説明
次々と起きる江戸の怪事件。玩具のような弓矢で娘が殺され、大きな岩が空を飛んできた!?日々、奔走する徳川竜之助だが、偶然、やさしげな中年の女性と知り合った。その人は、ときおりお濠端に立ち、田安の屋敷のほうを見つめていたという。母なのではないか…。一方、新陰流の正統をめぐって、ついに柳生の里の刺客が竜之助に襲いかかった!大好評シリーズ第三弾。
著者等紹介
風野真知雄[カゼノマチオ]
1951年、福島県生まれ。立教大学法学部卒業。93年「黒牛と妖怪」で第17回歴史文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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タツ フカガワ
48
師走も押し迫ったころ、同じ町内に住むふたりの少年が姿を消す。2日後、そのうちの一人、7歳の金助という少年が帰ってくるが、金助はすでに大人の姿だった。顔は父親似で家族の思い出も細部まで覚えている。この奇怪な騒動に同心見習い福川竜之助の推理も鮮やかな「帰ってきた大人」が面白かった。一方竜之助を狙う刺客は伊賀の柳生十兵衛を超える13歳の天才剣士柳生全九郎。ふたりの対決は次作に持ち越しか。相変わらずさくさくと読ませるテンポが心地よい。2024/11/11
ベルるるる
24
竜之介の母親が、なんとスリのお寅さん。おまけに元々は大名家のお姫様。このお寅さんの人生、ちょっとこちらも詳しく知りたい~2016/06/21
ひかつば@呑ん読会堪能中
10
やっと手に入れた。 お寅さんがなぜ母親になったのか、やっとわかりました。2012/04/17
ひっと
9
話の流れは当時の世間のトレンドの「尊王攘夷」には全く関係なくて進む。かすりもしない。庶民の中でのお話と謎解きに終始しております。生麦事件のころだからかなりきな臭くなっているはずなのに,庶民には関係ないのだな。この幕末を全く匂わせない潔さが良いです。 2015/08/16
よっち
8
前作からチラつかせていましたが、シリーズ3作目で、若さまの母親が判明しました。そして、怪事件は閃きと推理で次々と解決して、襲いくる敵は難なく返り討ちにしてしまう、無敵の竜之助でしたが、ついに現れた強敵、柳生の刺客、全九郎くん。彼はなかなか不気味で、次の対決も楽しみです。2013/02/23