内容説明
長崎でシーボルトの警護役を務めていた井端進作が、役目の上の不手際で自害した。藍染橋の袂で治療院を構える桂千鶴は、かつて長崎でシーボルトの薫陶を受ける際、井端にずいぶんと世話になっていた。折りしも、シーボルト一行が上府することになり…。医学館で教授方だった父東湖の遺志を継いで、女医となった千鶴の活躍を描く、書き下ろし時代小説、好評シリーズ第三弾。
著者等紹介
藤原緋沙子[フジワラヒサコ]
高知県生まれ。立命館大学文学部史学科卒。小松左京主宰「創翔塾」出身(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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はつばあば
53
家族って屋台骨が傾くと一瞬で壊れてしまうものでしょうか。女手一つでは家族を守れないのは今も昔も変わらないのかもと考えさせられました。屑のような亭主だけは持ちたくないと思いますが、おなつのような女もまた巷には・・。酔楽先生の懐の大きさに啞然としましたがそれだけ孤独だったのでしょうね。五郎政もやきもきしたことでしょう。それでも最後は二つともいい終わり方で良かったです2023/04/05
むつこ
19
シリーズ第3弾。父の愛がテーマの2つの中編。シーボルトともう一人の父と慕う酔楽のお話。酔楽先生の恋バナよりも主人公のラブが読みたい。2015/02/25
calaf
15
父と子、絆が深いほど、一旦歯車が狂うといがみ合う関係に。それでも...という事?(先日読了の西澤保彦さんの『夢は枯れ野をかけめぐる』も同じようなテーマだったような...)2014/06/18
オレンジ。
10
第三弾。シーボルト登場。父とも慕う酔楽の隠し子騒動。2016/07/15
RED FOX
9
「シーボルトが俺たちに会いたいとな…」血の繋がらぬ兄と弟、侍は大変だ。元ワルの五郎政が大活躍。2020/06/13