出版社内容情報
民間で科学捜査鑑定を請け負う〈氏家鑑定センター〉。所長の氏家京太郎のもとに舞い込んだのは、世間を騒がす連続殺人犯の弁護士からの鑑定依頼だった。女子大生3人を殺害し死体から子宮を抜き取る猟奇的な事件だが、容疑者は、3人のうち1人の犯行だけは否認している。3人の殺害を主張する検察側の鑑定通知に違和感を感じた氏家は、自身の手で再鑑定を試みるが、試料の盗難や職員への暴行など、何者かの邪魔が相次いで――。警視庁科捜研と真っ向対立しながら挑む裁判の行く末は? 驚愕の結末が待ち受ける、圧巻の鑑定サスペンス!
内容説明
民間の科学捜査鑑定所で所長を務める氏家京太郎。彼のもとに舞い込んだのは、世間を騒がす連続殺人事件の鑑定依頼だった。女子大生三人が殺害され子宮を抜き取られるという猟奇的な事件だが、容疑者の那智は二人への殺人は認め、もう一人への犯行は否認している。那智が三人を殺害したとする検察の鑑定結果に違和感を抱く氏家は再鑑定を試みる。しかし、何者かの妨害が相次いで起きて―。驚愕の結末が待ち受ける、圧巻の鑑定サスペンス!
著者等紹介
中山七里[ナカヤマシチリ]
1961年岐阜県生まれ。2009年『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞しデビュー。音楽から社会問題、法医学まで幅広いジャンルのミステリーを手がけ、多くの読者の支持を得ている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
のり
87
民間の科学捜査鑑定所のボス「氏家京太郎」。他の作品にて存在を知り、読みたかった作品。科捜研の出身でもあるが、古巣との関係は微妙なところだ。そんな中、世間で騒がれている猟奇的殺人事件の鑑定をを、担当弁護士から依頼される。所長の氏家を先頭に精鋭揃い。一件だけ否認した犯人の供述に沿いながらの鑑定。その過程で「光崎」教授や、千葉県警のアマゾネスこと「高頭冴子」まで登場。氏家の顔の広さにもビックリ。久し振りに犯人像がピタリと当たった。2025/09/07
ままこ
66
子宮を含む下腹部が摘出された3件の猟奇的連続通り魔事件。被告人の那智は3件目の殺人は違うという。弁護人の吉田から協力要請を受けた鑑定人氏家が真実を追求する。〈理論を完全に排した論理は魅力的だが、モンスターを誕生させる土壌にも成り得る〉法廷シーンも見応えがあった。他のシリーズの登場人物も強力な助っ人となり、不利な状態からのどんでん返し。〈自分の仕事は分析であって、裁くことでも罰することでもない〉が信条の氏家は人としても魅力的。続編も出てるので読みたい。面白かった。2025/09/14
Kazuko Ohta
60
中山七里シリーズオールスターキャストと言うほどではないにせよ、他シリーズの主役陣がカメオ出演以上にバッチリ出てきて仕事をする様子が見られます。DNA型鑑定が導入された頃、それが如何に盲信されていたか、そのせいで冤罪が生まれたことは『殺人犯はそこにいる』を読んだときに知って衝撃を受けました。本作と併せて再読したい。柔和そうな氏家さんだけど、あれほどクセの強い面々とやりあえるのだから決して普通ではない。光崎先生の屈託のない笑顔は私も見たいなぁ。ついでにアマゾネスの女らしい面も。って言うとセクハラになりますか。2025/03/18
ワレモコウ
46
新たなキャラシリーズ。3人の女性を惨殺した犯人の「3人目は殺してない」の言葉を証明すべく、科捜研を辞めて民間の鑑定所を立ち上げた氏家が奮闘する。序盤は、少し説明が長すぎる気がしたが、途中から引き込まれる。中山ワールド炸裂で、「逃亡刑事」のアマゾネス高頭警部や、「ヒポクラテス」シリーズの法医学者・光崎教授などが登場。また、名前こそ出ていないが、御子柴弁護士も話に出てくる。シリーズは続くようなので、また楽しみができた。2025/06/24
桜
42
七里さんのお作の既存作品の主要キャラが出てきて「クスリ」。 彼の脳内では全てのシリーズが一つの世界なんだろうな(*´ω`*) 元科捜研から独立した氏家さん、ヤメ検の吉田弁護士。ある意味アウトローな彼らの続編待ってます♪2025/02/17