出版社内容情報
東中野にある〈喫茶おおどけい〉は時を超える不思議な喫茶店だ。困りごとを抱えたお客が訪れると、店のシンボルである大時計が鳴り、店内が急に昭和時代に巻き戻るのだ。ナポリタン、コーヒーゼリー、苺パフェ……老店主ハツ子が提供する絶品喫茶メニューと大時計が繋ぐ過去が、あなたにそっと前を向く力をくれる。タイムスリップする昭和レトロな喫茶店を舞台に贈る、心あたたまる物語。大好評シリーズ第2弾。
内容説明
東中野にある“喫茶おおどけい”は、もうすぐ八十九歳になるハツ子と孫のハヤテが営む老舗の喫茶店だ。ある日、地元を盛り上げる計画が立ち上がったが、集まったのは高齢の親や親戚などに頼まれ、渋々、会に参加した女子大生や会社員たちだった。その彼女たちが会合場所の“おおどけい”を訪れ、日常に抱える悩みをハツ子に聞いてもらっていると、不思議な大時計の鐘の音が鳴り、昭和時代へタイムスリップする。美味しい喫茶メニューと懐かしい過去がくれるあたたかな言葉にほっとする、昭和レトロな喫茶物語、大好評シリーズ第二弾!
著者等紹介
内山純[ウチヤマジュン]
1963年神奈川県生まれ。立教大学卒。2014年『B(ビリヤード)ハナブサへようこそ』で第24回鮎川哲也賞を受賞しデビュー(後に『ビリヤード・ハナブサへようこそ』と改題して文庫化)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
168
喫茶おおどけいがシリーズ化になり、今作が第二弾。前作から間隔が空いてるから、前作の内容は覚えてない(笑)。悩みがあったり、ストレスを感じたり、しんどくなったら、こんなレトロ喫茶に行きたいし、ハツ子さんとハヤテに会ってみたい。この手のジャンルの物語はいろいろ読んでるけど、行きたいなと思う気持ちは、自分の中では上位にランクイン。何十年も営業してる昭和のレシピの喫茶店メニューを食べてみたいし、飲んでみたい。疲れているそこのあなた、昭和と令和の時代を見事に融合した喫茶店おおどけいを、ぜひ手にとって読んでみてね。2025/01/22
さてさて
132
東中野にある『喫茶おおどけい』を舞台に5人の登場人物の悩み苦しみが描かれていくこの作品。そこには、それぞれの主人公たちが得た”起点・きっかけ”の先に、再び前に向かって歩いていく姿と『喫茶おおどけい』の懐の深さを感じるゆったりとした時間の流れる物語が描かれていました。”昭和レトロ”な雰囲気感にすっかり魅せられるこの作品。”食”の魅力だけでなく、『蓄音機』の登場によって音楽を”聞かせる”魅力にもこだわったこの作品。表紙の絶妙なイラストがさらに作品を彩ってもいく前作よりも格段に作り込まれた素晴らしい作品でした。2025/05/31
寂しがり屋の狼さん
53
東中野にある『喫茶おおどけい』は、もうすぐ八十九歳になるハツ子と孫のハヤテが営む老舗の喫茶店。ある日、地元を盛り上げる計画が立ち上がったが、集まったのは高齢の親や親戚などに頼まれ、渋々、会に参加した女子大生や会社員たちだった。その彼女たちが会合場所の『おおどけい』を訪れ、日常に抱える悩みをハツ子に聞いてもらっていると、不思議な大時計の鐘の音が鳴り、昭和時代へタイムスリップする。美味しい喫茶メニューと懐かしい過去がくれるあたたかな言葉にほっとする(◕ᴗ◕✿)昭和レトロな喫茶物語、シリーズ第2弾。2025/06/20
涼
49
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2025/02/post-fa55f2.html シリーズ第2弾です。 今回は『東中野の歴史を保存する会』にいやいや参加した人たちがタイムスリップして過去と向き合うことで、前向きになっていく課程が語られています。2025/02/14
Karl Heintz Schneider
40
喫茶おおどけいは東京・東中野にある昔ながらの純喫茶。89歳のハツ子と孫のハヤテが店を切りもりしている。実はこの喫茶店にはとある秘密があって壁にかかっている大時計が時の鐘を鳴らすと店にいた客が昭和時代にタイムスリップする。本人がそのまま過去に戻るわけではなくて意識だけが時空を超えて近しい人の過去の姿に憑依する。肉親の過去の意識に触れて、また周囲の人々の話を聞いて、自分がいかに恵まれているかに気付き現代に戻って行動を変える。今いる場所が一番、そう思えることは幸せなこと。2025/03/24