出版社内容情報
専業主婦の杉山莉緒は、高校2年生の息子・聖将からカミングアウトされ、激しく動揺する。しぶしぶ交際相手を自宅に招いたところ、一流大学に通う藤本雄哉は非の打ち所がない好青年。母親を早くに亡くし、家事はもちろん、祖母の介護までする苦学生で、何よりイケメンだった! ひとまず二人の交際を認めた莉緒だが、心中は複雑だし、夫・稲男にもなかなか切り出せない。はたして空回りする母は家庭の平穏を取り戻すことができるのか? たっぷり笑えて、しみじみ考えさせられるBLホームコメディ。
内容説明
専業主婦の杉山莉緒は、高校2年生の息子・聖将からカミングアウトされ、慌てふためく。意を決して交際相手を自宅に招いたところ、二十歳で一流大学に通う藤本雄哉は非の打ち所がない好青年。母親を早くに亡くし、家事はもちろん祖母の介護までする苦学生で、何よりイケメンだった。ひとまず二人の交際を認めたものの、夫・稲男にはなかなか切り出せず、莉緒の心は乱れるばかり。はたして杉山家に平穏な日々は再び訪れるのか?悩んで悩んで答えを出そうとする家族の姿が胸を打つBLホームコメディ。
著者等紹介
秋吉理香子[アキヨシリカコ]
早稲田大学第一文学部卒。ロヨラ・メリーマウント大学院にて、映画・TV製作修士号取得。2008年「雪の花」で第3回Yahoo!JAPAN文学賞を受賞。09年に受賞作を含む短編集『雪の花』にてデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
糸巻
25
高校生の息子がゲイである事を知った家族の心の葛藤をコミカルに描いた物語。女子校時代にBL漫画を描いていた母親、カミングアウトした息子、母親の女子校時代からの親友、最悪なパターンで知ってしまった父親、そして息子のボーイフレンドの視点での5話収録連作短編。母親と親友のやり取りがコミカルで笑えるけど、息子の性的志向を勝手に話してしまうのはダメだろう…。結果的にこの親友の存在は物語になくてはならないんだけど。愛し合う若き恋人たちを引き裂こうとする流れにおばちゃんは涙が出たよ…。子供が笑顔でいてくれたらそれで良し。2025/04/30
一華
23
高二の息子から突然のカミングアウト…母親、息子、母親の親友、父親、息子のカレシ、それぞれの視点からの五篇。みんなそれぞれが思い悩み、重いテーマにも関わらず、心温まるホームコメディに仕上がっている。小説ゆえに結末は大団円風だが現実は…綺麗事で済まされないだろうけども、こういうカタチ(このくらいの雰囲気)で世に拡まっていけたらいいのかもね。2025/02/07
Satoshi
15
普通の家庭の自慢のイケメン息子が同性愛者であることを母親にカミングアウトし、本人、恋人、両親、母親の親友の視点で物語が語られる。LGBTQへの偏見をなくすように社会は動いており、その重要性を理解しても自分の息子が同性愛者であれば、葛藤する。もちろん、当人も同じである。その中で家族が理解しあうまでの物語をシンプルに描いている。好感を持てる作品だ。2025/04/17
rakim
13
高校生の息子が突然のカミングアウト。好きになった交際相手が男性だというのだ?!。当事者同士、打ち明けられた母親、母親のかつての腐女子仲間でただいまシングルマザーの親友、理解はしたいが‥の元ヤンキーで今はサラリーマンの父親、の各視点から語られるコメディー。色々な重い問題も取り込みながら軽快な筆致で進みます。立場によって自分ならどうする?と読む人それぞれが考えるのだろうな、と思いながら読了。2025/05/10
しゅう
11
身につまされます笑。BL大好き&息子を持つ身としては真剣に読んでしまいました。かねてよりもし息子がボーイフレンドを連れて来ても私は息子が幸せなら歓迎できると思っていましたが、それはまだ他所ごとと考えているからなのでしょうか。「子どもにとって木陰となることが親なのだ」肝に銘じたいと思います。2025/03/18