出版社内容情報
伝統あるマルヨシ百貨店に勤める美由起は、大食堂のマネージャーに就任した。しかし、長年愛されていた大食堂は時代の変化とともに廃れ、存続の危機に直面していた。その上、若社長が引き抜いてきた料理人の智子は、大食堂の味を片っ端から変えようとして……!? 古き良き大食堂の未来はいかに? 美味しい料理と懸命な奮闘が奇跡を起こす、お仕事グルメ小説!
内容説明
伝統あるマルヨシ百貨店に勤める美由起は、最上階にある大食堂のマネージャーに就任した。しかし、長年愛されていた大食堂は時代の変化とともに廃れ、存続の危機に直面していた。状況を改善するため社長が都会から連れてきたシェフの智子は、大食堂の昔ながらの味を否定し、現代風に変えようと試みる。美由起たち従業員はそんな智子に反発しながらも、思い出の詰まった大食堂が再び輝きを取り戻せるよう、少しずつ改革をはじめて―。美味しい料理と懸命な奮闘に勇気をもらえる、お仕事グルメ小説!
著者等紹介
坂井希久子[サカイキクコ]
1977年、和歌山県生まれ。2008年「虫のいどころ」でオール讀物新人賞を受賞しデビュー。17年『ほかほか蕗ご飯 居酒屋ぜんや』で〓田郁賞、歴史時代作家クラブ賞新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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荒川叶
31
食堂って様々な工夫がされているなと感じる。 今の物価高でいかに美味しくそのままの値段で出せるか。また、食器や押しの色一つでお客さんの集客力が変わったりもする。昔ながらの味を大切にしながらも新しくリニューアルされていく大食堂は魅力的に感じる。2024/09/20
はな
30
さくさく読めて楽しかった!勧善懲悪な設定やみんなが協力して纏まっていき問題解決に向かうなど心沸き立ちました。老舗の食堂行きたくなります。まずは今夜は手作りナポリタンを食べます!2024/10/06
えみちゃん
21
こちらも初読みの作家さんです。百貨店の大食堂っていうと懐かしくノスタルジーを感じるじゃないですか・・。文庫化されたら読もうと持ってました。笑っ。とはいうものの、大食堂も時代の変化に晒され存続の危機に直面します。そこへ全くの畑違いの部署からマネージャーとして就任した美由起が立て直そうと奮闘するのですが・・。昔ながらの味を守ろうとする古参料理人と鳴り物入りで社長が都会から連れてきた有名人シェフ。お約束どおりに対立しバトルを繰り広げるのですが大食堂に再び光を当てたいのはどちらも同じ。料理の味を通して2024/09/18
はる
19
どこで働いていてもこの手のトラブルはつきものだけど、働いている人の中に山田さんみたいなまとめ役がいるおかげで変な亀裂が入る事がなかったのではと思う。山田さんがいなかったらいがみ合ってたのでは?この山田さんみたいな人は貴重。なかなかいないから大変な事になる所が多い。また、白鷺カンナがいいキャラ。プリンの熱量が凄いけど、的確に物事を判断出来る存在。こんなメンバーがいる大食堂は安泰だと確信出来る。2024/09/30
クキモン
16
百貨店の大食堂を舞台にしたグルメお仕事もの。オムライス、プリン、ハンバーグ、ナポリタン、エビフライなどどれもオーソドックスなメニューだけれど、世代を越えて愛される、日本人のソウルフード。食堂のランチに釣られて、嫌々ながら親の買い物に付き合わされた子供時代を思い出しました。それにしても、ここの百貨店の社長はなんと小さい男なのだろうか。2024/10/20