出版社内容情報
おひとりさま専用カフェ喫茶ドードーでは、店主のそろりが美味しい「あなたをいたわるメニュー」をご用意してお待ちしております。大好評シリーズ第3弾!
内容説明
どんなにがんばっていても、やりきれない気持ちになるときがある。他人と自分を比べて嫉妬してしまうアパレル会社勤務の女性、何かと白黒つけてしまいがちな保険会社勤務の女性…おひとりさま専用カフェ「喫茶ドードー」には、さまざまなお客さんが訪れる。彼女たちは、店主の作る「あなたの悩みに効くメニュー」にそっと背中を押され、自分の力で悩みに答えを見つけていく―。喫茶ドードーが今日もがんばっている人の居場所になれますように。心がほぐれる連作短編集、シリーズ第三弾!
著者等紹介
標野凪[シメノナギ]
静岡県浜松市生まれ。東京、福岡、札幌と移り住む。福岡で開業し、現在は東京都内で小さなお店を切り盛りしている現役カフェ店主でもある。2018年「第1回おいしい文学賞」にて最終候補となり、2019年に『終電前のちょいごはん 薬院文月のみかづきレシピ』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
224
悩み、嫉妬、迷い、世代の差、そりゃ一生懸命に生きてるんだもん、いろいろあるし、疲れる時もあるさ。のんびりゆっくり営業しようとしてた店主のそろりも、ネ口コミで評判になって、店が混み出したら余裕もなくなるし疲れるよ。まずは、しんどくなったら深呼吸。それでダメならひとやすみ。何をするにしても気を張りつめずにぼちぼちゆるりと楽しむつもりでやるのがいいかもね。四人の女性と睦子さんの話が並行した構成になっており、読んでて誰の話なのかわからなくなり、物語の中で迷子になってしまった。どうやら俺も疲れてるようだ(笑)。2024/08/20
シナモン
114
シリーズ3作目。 良かったけどおひとり様専用喫茶ドードーでのシーンをもっと読みたかったかなー。 生きづらさを抱えた4人の女性の物語の場面がちょっと多めだったような。しかも並行して描かれてるので少し読みにくさも感じてしまった。それでも沁みるフレーズは多くて。「ひとやすみ」大事だな😌2024/08/20
ミュポトワ@猫mode
109
喫茶ドードー3巻目。これで完結かな。みんな苦しんでるんだねぇ。ひとやすみしたいよねぇ。休むと楽しいもんね。嫌なことから逃れられるからね。でも、結局、その休んでいるのもからも逃れたくなっちゃうんだよね。そして、元に戻ると…なんとも世知辛いものです。お一人様以上だともう社会が形成されちゃうからね。その回避のためのお一人様専用カフェだったんだけどね。常連さんとか出てきちゃうとそれはもう社会なんだよね。どこかで区切りをつけて、元に戻るしかないのかもしれない。というか、休む居場所を確保しておくことが大切なのかもね。2024/12/23
よこたん
43
“みな、いくつもの悩みを抱えて毎日を過ごしているのです。でもそれはあなただけの悩みではなく、実は誰もが似たように悩んでいるのかもしれませんよ。” シリーズ第3弾。世の中がどんどん複雑になっていき、常に思慮深くあらねばという窮屈さに絡め取られる。嫉妬したっていい、今はやりたくないのと放り出したっていい、モヤモヤした気持ちを一旦置いておいてひと息つける場所があれば。隣の芝生は青く見えがちだけれど、気にしすぎないでいたい。努力することと無理することとは違うもの。あ〜プリン食べたい。そろりさんも、ひとやすみかあ。2024/12/01
misa*
43
いいなぁ…。このシリーズを読むと、心の休息が出来るこじんまりしたカフェがあったらなぁってしみじみ感じる。今作は同時進行で5人のストーリーが進んでいって、いつもと違う感じに最初は戸惑った。そして、そろりさんも疲れてて色々と重苦しい感じだった。「丁寧な接客を受けつつも、どこかで自分が排除されているのではないかと思ってしまう。それが被害妄想であることくらい、わかってはいるのだけれど。」って言葉に、どことなく共感。2024/08/27