出版社内容情報
もう一度、無茶な恋がしたくなるシニア世代のための暴走恋愛小説!浅草の社団法人ゴルフ場協会で悠々自適に働く64歳(独身)の大隅一郎。ある日、馴染みの喫茶店の店主・小川からアルバイトの咲子の相談に乗ってくれと持ちかけられる。「父親の借金返済のために愛人にしてほしい」と咲子に言われて心を躍らせる。同衾を果たした末に、「あなたの子供を産みたいの」と懇願され、泥沼に落ちていく二人の恋路。咲子の借金返済のために破滅へと向かう一郎。行く末は破滅しかないのか!?
内容説明
64歳の大隅一郎は気ままなひとり暮らし。ある日、行きつけの喫茶店でアルバイトをしている咲子に「父親の借金返済のために愛人にしてください」と言われて承諾する。32歳の咲子と同衾を果たした末に、「子供を産みたい」と懇願され数十年ぶりに恋の炎が燃えたぎる。咲子の体に溺れた一郎は結婚を決意するのだが、彼女の父親の借金問題に悪い輩が絡んで一郎の貯蓄はみるみる溶け、一気に奈落の底へと堕ちていく。愚かな男の性を大藪春彦賞作家が生々しく、はかなく描いた傑作性愛小説。
著者等紹介
赤松利市[アカマツリイチ]
1956年香川県生まれ。2018年「藻屑蟹」で第1回大藪春彦新人賞を受賞しデビュー。20年『犬』で第22回大藪春彦賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
のり
52
語り手目線で進んでいく、初老の男と若い女の恋物語。ある程度の社会的地位にある男。しかし、考え方がなんともその場しのぎの楽観屋。あまりにも軽はずみの行動が過ぎ、己の首を絞める事に…心優しい面もあるが、裏目に出る。人生の破滅はどこから始まるのかわからない。たどり着く現実は物悲しい。2024/10/03
ω
33
サクサクっとぉ一気読みω♪ シニア世代の暴走恋愛小説って帯が既におちょくってる笑 珍しく神視点で語られるんだけどそいつが「こりゃこりゃ、ちょいとお待ち」ってな落語口調というのか、ふざけて笑わせてくる笑 64歳の独身男性と、幼児体型32歳の女が……。利市っちゃんお元気かなぁ。 ※ウ◯コは出てきませんのでご安心を。2025/01/12
lily
15
ゴルフ協会の社団法人に勤める大隅一郎が、半グレが集う常連の喫茶店で働く咲子と出会い、恋に溺れていく様子を「神視点」で描いていく。ED薬を使って肉欲に溺れたり咲子の友人に40万円をつぎ込んで自涜したりと、初老のオッサン(半分私小説なので著者自身)がしっちゃかめっちゃかに凋落していく様子がリアルに感じられグイグイ読ませる。落語を参考にしたらしく、神視点でいちいちツッコミが入るのも面白い。八方ふさがりとなった二人はタイトル通りのラストを迎えるが、ここに清々しさを感じるのはなぜだろう…2024/12/02
OHNO Hiroshi
10
男がいつまで好色なのか。主人公は64歳。若い女がいいのだろう。咲村咲子は三十二歳。31歳差。CD3枚買ってあげた。CD、若い人はどう? ポッドキャストで、でか美ちゃん1991年生まれだが、カルチャークラブ知らない、リラックスのFGTHはCMで知ってるって。お金たよねっ! 明日という言葉かわ輝いていた。あんな若い娘と。女より貯金が良いではないか。レビトラ。濹東綺談。家族になりたいのです。歳はとりたくなくても生きていたら歳をとる。この先良いことはないと思っておこう。こどもを作るという目的以外はセックスしない。2024/04/18
のじ
8
神視点で書いたということだけれど、なんだか読みにくい。性行為の描写が延々と続くのにも辟易・・・。主人公の金銭感覚とかイカれているし、なんだかなあと思う。最後も何かもうちょっと解決策はなかったものか。咲子は結局気の毒なママやなあ。こんなおっさんが月収100万を現実的に夢見られるとか、社会狂ってんな、と思った。あと、すげえ金持ってて社会的スキルありそうなのに詐欺にひっかかる人いるの不思議だったけど、なんだか少し納得したかも。2025/04/30