出版社内容情報
いたたまれない思いを抱えた被害者の思いを救う復讐代行屋。法で裁かれなかった悪党に、謎の殺し屋・ロンホワンが救いの弾丸を撃ち込む。暴走老人の車に妻と娘が殺された夫、歌手の娘がチャラついた芸能人に弄ばれて自殺した両親、どうしようもないDV毒母に憤る男……血飛沫舞う愛と哀しみのアクション連作小説。
内容説明
謎の男・ロンホワンと、訳あり美女の水鳥川亜沙美が営む“殺し屋商会”には、怒りと哀しみを抱えた依頼人がやってくる。高級官僚の起こした暴走事故により家族を亡くした遺族、歌手の娘が恋人から激しいDVを受けて自殺してしまった俳優の父親、外道プロダクションに搾取され続けるセクシー女優など、法で裁かれなかった悪党への復讐をロンホワンは代行する。傑作ハードボイルドの連作小説が文庫オリジナルで登場!
著者等紹介
柴田哲孝[シバタテツタカ]
1957年東京都生まれ。日本大学芸術学部中退。86、87年、パリ・ダカールラリーに参戦。2006年『下山事件 最後の証言』で、第59回日本推理作家協会賞(評論その他の部門)と第24回日本冒険小説協会大賞(実録賞)を受賞。07年『TENGU』で第9回大藪春彦賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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しんたろー
132
柴田さんの新シリーズらしいので期待して読んだが…1編が40頁ほどの連作短編になのでサクサク読めるが、そのせいか薄味に感じる。各話が実際にあった事件をモチーフにしているので「あれだな?」と興味を持ち易いが、標的になる人間の描写が少ないのと、肝心の主人公二人(ロンホワン&亜沙美)の心情が書き込めていないのが物足りない理由か?連載されていた作品を纏めた本作を長編の『デッドエンド』シリーズと比較するのは酷だろうが、著者の力は「こんなもんじゃない!」と信じているので、次巻で真価を発揮してくれるのを楽しみに待ちたい♬2023/07/26
タイ子
95
法で裁けぬ者を代わって成敗!よくある復讐代行人、必殺仕事人の話。5話の短編集で、殆どが実話からのフィクション。誰もが知ってる事件、事故なのでこれを物語、しかもサスペンスものにしちゃっていいのかとか要らぬおせっかいをもしてしまう。実話に近いストーリーの中で、あり得ない設定をしているのが殺し屋商会なる2人の人物像。これがあるからフィクションとして読むことができるのかもしれない。あの事件、この事故、第三者にとっては過ぎ去ってしまえば過去のことになってしまう悲しく辛い出来事がフィクション作品とともに蘇ってくる。2023/05/23
ma-bo
92
5編の短編集。殺し屋照会=復讐代行相談所。謎の美女亜沙美と、過去が不明な謎の男ロンホワンが被害者から依頼を受けて復讐(殺害)を行う。あれだな!って特定出来る実際起こった事件をモチーフにしているので話には入りやすい(読みやすい)が、内容に深みは感じられない。最終話がホワンの過去を小出しに、そして負傷した状態で行方知れず。続編ありきの締め方。2023/09/14
GAKU
49
粗筋は面白そうだったのですが、うーん、完全に期待外れな1冊でした。この作家さん過去に読んだ作品もそうだったような気が...........。2023/06/27
きりん★
42
実際にあった事件をモチーフ!な復讐代行、殺し屋✨サクサクあっという間に読めて楽しめたが、お色気シーン多くない?続きありそうで気になるので、続編あれば読みます😁デッドエンドシリーズよりはライトな作品。2023/08/31