出版社内容情報
幼少期に東北で両親を失い、今は都内のダリア専門店で働く二十歳の太輝は、街中で不思議な少女と出会う。全身黒ずくめでダリアの花束を持つ謎めいた美少女・巫香。元人気子役で“魔女”と呼ばれる謎だらけの引きこもり少女に太輝は「ある目的」のために近づくが……。前作『だから僕は君をさらう』で「大切な人を守るために犯す罪」を描き感動を呼んだ著者による最新長編。巫香が抱える衝撃的な過去と怒濤の結末に胸が震える闇堕ちミステリー。
内容説明
幼い頃に両親を亡くし、双子の弟とも離れ離れで育った太輝は「ある目的」のため、元人気子役の謎めいた少女・巫香に近づく。学校で「魔女」と呼ばれ、不登校になった17歳の巫香と交流を深めていくうちに、太輝は巫香の闇を知ることになるのだが―。人には言えない大きな傷を抱える巫香と、同じく悲しい過去を持つ太輝。巫香の謎が明かされたとき、太輝が巫香を救うためについた嘘とは!?闇堕ちミステリーにして、究極の愛を描いた純愛小説。第2回双葉文庫ルーキー大賞受賞作家、待望の新作。
著者等紹介
斎藤千輪[サイトウチワ]
映像制作会社を経て、放送作家、ライターに。2016年『窓がない部屋のミス・マーシュ』で第2回角川文庫キャラクター小説大賞の優秀賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mint☆
105
斎藤千輪さん初読み。闇堕ちミステリーという初めて聞くコピーが気になりました。幼い頃両親を亡くし双子の弟とも離れ離れになってしまった主人公。あることを調べるためミステリアスな美少女巫香に近づくが彼女の暗い過去を知り、もっと知りたいと願い惹かれていく。ダリアの美しさとクジラの森、この本の世界観がマッチして幻想的でもある。最後まで読むとタイトル通りそのまま。彼女を救うためのこの嘘はこれからどうなるのか、二人の今後が気になりました。#NetGalleyJP2022/12/07
ゆのん
60
人気子役だった過去を持つ引き篭もりで17歳の美少女と、幼い頃に家族をなくした20歳の主人公。この2人が出会ったのは偶然なのか…。学校でのイジメ、奔放な母親の失踪、嫌がらせの貼り紙など、若い2人が暗く悲しい現実をどう生き抜くのか、真の思惑は何なのか、過去に何が起きたのかを知りたくてページはグングン進んでいく。闇堕ちミステリーと純愛物語を楽しめる作品。2022/11/22
真理そら
58
ダリア専門店でアルバイトを始めた太輝。なぜそこでバイトをしようと思ったのかということが重要なポイント。暗い内容の話だけれど読後感はなぜか爽やか。2023/01/06
よっち
39
幼少期に東北で両親を失い、今は都内のダリア専門店で働く二十歳の太輝。街中で出会った謎めいた美少女・巫香にある目的のために近づく闇落ちミステリ。自殺した双子の弟の死の真相を探るため、花屋の配達を利用して巫香の家を訪れる太輝。引きこもり気味で掴みどころのない巫香に振り回されながら、断片的な情報を拾い集めて核心に迫る展開で、知れば知るほど誰を信じていいのか、どうすればいいのか分からなくなる中、デリケートで難しい選択を迫られ続けましたけど、それでも孤独な彼女に寄り添う覚悟を決めた太輝の決断が印象に残る物語でした。2022/11/14
こばゆみ
11
うーむ、読みやすいのだけれど、全体を通して輪郭があやふやと言うか、わたしにはよく分からないお話だった(^_^;)。双子の弟がなぜ自殺したのか探ろうとする太輝と、謎の美少女・巫香のお話。何より「ハシバミ色の瞳」というフレーズが何回も出てきて、しつこいな〜というのが一番の印象…2023/01/19